風景デザイン研究会では下記の通り第28回サロンを開催します。
今回は、70年代に行われた由布院の公共空間のあり方に関する検討から
土木学会デザイン賞を受賞した湯の坪地区住民による景観計画・景観協定のプロジェクト、
それに続く由布市景観マスタープラン、ゆふいん建築・環境デザインガイドブックの改訂、
由布院盆地景観計画(案)の策定まで、由布院における風景保全の取組について網羅的にお話を伺います。
由布院の方々が一同に介してお話を聴ける機会は非常に貴重ですので、
何かとお忙しい時期ではありますが、ぜひお一人でも多くの方にご来場いただければと思っております。
※人数把握のため、要申込としております。お早めに申込いただければ幸いです。
よろしくお願いします。
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第28回風景デザインサロン『由布院 潤いのある風景の再生へ』
名峰由布岳。野焼きによって連綿と受け継がれてきた草原。水田と家々からなる田園風景。
生活感あふれる町中。滾々と湧く温泉と質の高い旅館。金鱗湖、大分川等の水辺の風景。
由布院の人々にとって風景はふるさとそのものです。
無名であった農村から全国屈指の温泉観光地となった現在まで、彼らにとってのふるさとの
風景は大きく変化してきました。しかし、注目してほしいのは、そうした状況の中で、
由布院の人々は世代を超えて、由布院の風景を「ゆふいんらしく」繕い続けてきたことです。
風景の向こうにある、由布院の人々の精神に耳を傾けながら、由布院の未来の風景を想像してみてください。
平成23年2月、湯の坪地区住民と由布市が策定した「湯の坪街道周辺地区景観計画・景観協定・紳士協定」は、
土木学会デザイン賞2010奨励賞を受賞しました。
本サロンでは、この湯の坪での取り組みを軸に、過去から現在まで由布院で続けられてきた
景観の取り組みについて、由布院の方々をお迎えしてお話を伺いたいと思います。
◇日時:平成24年1月19日(木)13時30分~18時
◇会場:あじびホール(福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル8階)
http://faam.city.fukuoka.lg.jp/use/use_acc.html
◇定員:100名(参加費無料/要申込)
◇参加方法:下記申し込みフォームにご記入の上、1月16日(月)までに
高尾(takao@doc.kyushu-u.ac.jp)までお申し込みください。
なお、定員になり申込を次第打ち切らせていただきます。
【参加申し込みフォーム】
第28回風景デザインサロンに参加します。
・氏名 :
・所属 :
・連絡先 :
・会員種別:正会員・学生会員・非会員
◇プログラム:
【第1部】
1.私たちの目指す「由布院」とは
桑野和泉氏(由布院温泉観光協会会長/(株)玉の湯取締役社長)
2.由布院の景観に関する取組(1970’s)
鮎川透氏((株)環・設計工房代表取締役)
3.由布院の景観に関する取組(1990-2004)
小林華弥子氏(由布市議会議員)
【第2部】
4.湯の坪街道の景観づくりの経緯
太田洋一郎氏(とこやおおた)
5.「湯の坪街道周辺地区景観計画・景観協定・紳士協定」の制度設計と成果
高尾忠志氏(九州大学大学院特任助教)
【第3部】
6.「由布市景観マスタープラン」「湯布院景観協議会」の狙いと検討プロセス
佐藤洋造氏(由布市役所都市・景観推進課)
7.「由布院盆地景観計画(案)」の制度設計
高尾忠志氏(前掲)
【第4部】
8.パネルディスカッション(講演者全員と会場とで)
◇問い合わせ先:takao@doc.kyushu-u.ac.jp (九州大学・高尾忠志)
◇共催:九州大学樋口研究室 http://landscape237.wordpress.com/
風景デザイン研究会 http://www.fukei-design.com/index.html
出会いと発見DIARY
早いことで今年も残りわずかです。
毎年恒例の「しみじみ会」を行いました。
今年は「鷹将」というお店で、樋口先生おすすめの糸島の焼鳥屋さんです。
地元のお店という感じのゆっくりできるお店で、
焼鳥はもちろん、料理も家庭的な感じでおいしかったです。
深川家から頂いた芋焼酎もみんなでおいしく頂きました。
深川さんのご両親、ありがとうございました。
最後は皆思っていることをしゃべりました。
石井くんもなんとなくいいこと言っていた気がします。
みんな楽しそうで幹事としては一安心です。
それでは皆様、来年もよろしくお願いします。
10月28-29日、鹿児島県さつま町と伊佐市で行なわれた風景デザインサロンに参加しました。
今回のサロンの対象地は、川内川激特事業の虎居地区と曽木の滝地区です。
曽木の滝の景観です。ゴツゴツとした岩がむき出しの自然景観です。
今回の対象地、曽木の滝の左岸側に整備された分水路です。
滝と分水路が一体として捉えられるよう河床、法面は岩盤掘削面をむき出しにし、河道は緩やかに蛇行させていました。
法面掘削の仕上げ面は、岩の摂理に沿った掘削により違和感なく仕上がることを目指しています。
不安定に残る岩は、バックホーのバケットにワイヤーブラシを装着し岩の表面を撫でるように施工したとのこと。その工夫が窺い知れる法面です。
河床には低水路が掘り込まれていますが、常時の水量はほとんどありません。
出水が引いた後に残る水溜りがわずかに連なっています。
分水路呑口の先に見える本川から、分水路にせせらぎができる程度の常時取水があっても良いのかなと感じました。
河床に降りる階段です。
水流があたる呑口であり、現場発生の雑石の利用に際して、強度が発揮できる崩れ積みが用いられていました。
石が縦にしっかりと落とし込まれているのが分かります。
土佐崩れ積みに詳しい福留脩文氏指導のもと施工されたそうです。
岩盤に挟まれた階段部の石積みです。
雑石の布積みですが、少し人工的な違和感があるように思います。
人の手が入る箇所は割り切って、積石はきれいな間知石を使い整然と並べても良いのかなと感じました。
分水路の対岸、曽木の滝右岸側に残る曽木発電所用水路(明治39年完成)です。
永い時間を経て岩盤と石積みが違和感なく一体化していました。
岩盤からの湧水が多い曽木の滝分水路も、岩表面がうまく苔むして良い雰囲気の場所になることと思います。
10月28,29日に第25回風景デザインサロンに参加しました。
テーマは川内川檄特事業で虎居地区、曽木の滝地区に行きました。
川内川は平成18年の記録的な豪雨により甚大な被害を出しました。今回見に行くのはその災害復旧のための事業です。
1日目は虎居地区です。
ここは増水したとき流れをショートカットさせるため、山を掘削して推込分水路をつくりました。
川内川の川沿いです。
ずっと石積みされています。
これらの石は分水路を掘ったときに出てきた地場のものを利用しています。
石積みは石工さんが現場の人に指導して積み上げたそうです。
石積みの技術を後世に伝えていくためにこれからの土木事業ではこのように積極的に石を使っていく必要もあると思いました。
また直線的にならないよう川の流れのように曲線を描いています。
分水路の部分です。
堰を用いているのは、ある水量を超えるまではショートカットに水が流れないようにするためで、川の環境をギリギリまで変化させたくないという考えからできたものです。
堰にも石が使われていて周りとの一体感を出しています。
ここを越流した様子もみてみたいです。
分水路の近くに行きました。
遠くから見た印象よりも、実際にその場に立つと石は大きく石積みも高く、そのスケールの迫力に圧倒されました。
この辺りは城の石積みが連想させられました。
トロッコ倉庫の作業で、自分の手で地面を掘ったり、掘り出した土や石を運んだりの現場の作業を体感したことで、城の石積みを見ると、昔の人はこんな大きなものを人力で作っていたことを思うとどれだけ大変だったことか、と考えるのですが、
今の時代でもそれを彷彿とさせられるものができるんだなぁと思いました。
石が綺麗に敷かれていて、石のステージのように思いました。
分水路の広いスペースをイベントに利用できないかとまちの人たちも考えているそうです。
地元の人たちは平成18年の洪水の恐怖があり、本当に安全なのかという不安な気持ちが一杯なのを感じました。
その不安をなくすものを作り上げるため、島谷先生たちはワークショップを重ね、大規模な模型実験を行うことによって、住民が安心して暮らせるように工夫を重ねていったことを感じました。
また、時間が経ち、川の流れが地に馴染み、石積みに植生ができてくることで、これからこの川の風景が形成されていくんだなぁと感じました。
住民が安心して暮らせるようになる頃には美しい風景ができ、川がまちづくりにつながっているような気がします。
また、そこに住む人が快適に川を利用することは勿論ですが、これから時間が経ったときに、この川が観光につながってまちが自立できるように考えて石積みなどのデザインを考えたと聞き、まちの事情も考えた上でのデザインの必要さを感じました。
激特事業という時間が短い状況で防災に加え、景観やまちづくりについても取り入れた事例ですが、こういったスケールの大きいものに対する景観に対して骨格のデザインという考え方があって、ディテールにこだわる考え方とは違うことを学びました。
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