風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
September 30, 2013
俵ヶ浦町住民との初顔合わせ会【佐世保/鍜治】

9/27、佐世保市俵ヶ浦公民館にて地元の方々と九大景観研との初顔合わせ会が行われました。
俵ヶ浦町からは公民館長の南部さんをはじめ13名の方、
佐世保コンベンション協会からは富田さん、塩見さん、
それから、いきいき唐津の佐藤さん、佐世保市役所の宮崎さん、
九大からは樋口先生、榎本、行徳、ユー、鍜治、河津の5人が出席しました。
まず樋口先生の方から、
九大景観研がどういうことをしてきた研究室なのか、
九大景観研と一緒に取り組むことで何ができるのか、
上の2点についてのお話がありました。

参考資料として、これまで唐津・北崎でまとめてきた調査結果資料をお渡ししました。
この後は、地元の方々と一緒に地図を取り囲んでいろいろなお話を聞きました。
顔合わせ当初は九大と地元の方との間に見えない壁がありましたが、地元の方からお話を聞くときには、
「ここは○○だったんだよ」、「ここがおすすめスポットだよ」、「今度一緒に歩こう!」といった言葉があちこちで聞かれ、
スイッチが切り替わったかのように、非常に和気藹々としたムードで進んでいきました。
会開始直後からは予想もできないぐらいの盛り上がりです。
人から話を聞くときには、人が話し易い空気を作ることと、
一方的ではなく、こちらからも盛り上げていく事が非常に大切だということを身を持って感じました。

お話の中には、

・子供の頃は今の砲台跡地でよく遊んでいた。思い入れ深い場所。
・砲台までの道が薮で荒れており行くのが難しい。案内板を付けたい。
・3つの砲台は1つの道でつながっており、伝令が行き来していた。
・天神様、恵比寿様、明神様、フウガミ様を祀っているパワースポット的なものがいくつもある。
といった本、地図ではわからないような話が出てきました。
砲台跡地のように地元の方の思い入れのある場所に行き辛いのは、
地元の方だけでなく、外から見に来た人にとっても大変残念なことです。
こういうときこそ、若い学生が地元の手足となって、薮・雑草の刈り払い活動を進めていければと思います。

今回は1時間半と短い時間でしたので、あまりたくさんのことは聞けませんでしたが、
短い時間の中で俵ヶ浦町の方々ときっかけ作りができて、大きな一歩を踏み出せたと感じました。
また次回、みなさんとお会いできる日が非常に楽しみです。

September 25, 2013
第2回北崎まち歩き【北崎/鍜治】

9月9日、第二回北崎校区のまち歩きが行われました。
7月26日の第一回まち歩きで行かなかった残り半分の北崎地区西側を案内して頂きました。
参加者は北崎の方が11名、九大は樋口先生、裴、鍜治の3名です。
まずは宮浦地区の三所神社、徳門寺に行きました。
<三所神社>

<臨済宗徳門寺>



徳門寺は内装がきれいで比較的最近建てられたように見えます。
これは平成17年の西方沖地震で一部崩壊して、一昨年に新たに竣工されたからだそうです。
北崎地区には多数のお寺、神社があり、それぞれに歴史、謂れがあります。
この歴史、謂れを明らかにすると、地元の方々の暮らしぶりが見えてくるかもしれません。
大変興味深いものです。
午前の最後は灘山に登りました。
標高209mと柑子岳と比べれば、低い山ですが、
展望所までの道はなかなかの勾配で、距離も長く、柑子岳よりもハードだと感じました。
しかしながら、展望所から見える景色はこれまでの苦労を忘れてしまうくらいすばらしいものでした。
出口と入り口が離れていたり、道が雑木で荒れていたり、改善する点はありますが、
少し手を加えるだけで立派なウォーキングルートになると思います。

午後は西浦地区を回りました。
西浦地区は糸島半島の北側で宮浦地区のちょうど山を挟んだ裏手側に位置しています。
こちらは西浦水産加工場です。

かつてはカタクチイワシの加工場として使われていた工場ですが、
今は全く使われておらず、屋内には多数のトロ箱、ネット、水槽だけが残っています。
「これだけの敷地を持つ倉庫を何かに活用できないだろうか」と地元の方々も悩んでいるようです。
この加工場の活用方法は今後のプロジェクトを進める上での1つの大きな要素になると思います。
ここは西浦ひもの通りです。
ひもの専門店が数店立ち並んでいます。
全体的に古びた町並みですが、これがまた漁師町らしく、風情があるように感じました。

最後に西浦燈台を案内して頂きました。
燈台までの道は幅も狭く、でこぼこ道で車は途中までしか行けません。
車を降りてから10分ほど歩いて、燈台にたどり着きました。
燈台からの素晴らしい景色を想像して期待していましたが、
周囲の雑木により全く景色が見えませんでした。
ここも灘山と同じで雑木を処理するだけで、この燈台ルートも魅力溢れるものになると思います。

これで北崎のまち歩きは終了です。
この後、公民館に戻って、前回と同様に振り返りを行いました。

振り返りの中で議題に上がったのが「西浦水産加工場の活用方法」でした。
イベント会場、配送センター、海の駅などいくつか案は上がりましたが、その日のうちにはまとまりませんでした。
まだプロジェクトとしてもはじまったばかりです。
2回の町歩きを通して、北崎には地元の人の生活が見える田園風景、漁村風景、景色のすばらしい山、歴史要素など
たくさんの魅力があることがわかりました。
まずは地元の皆さんと信頼関係を築いて、取り組み体制をしっかりと整えて、
大学ならではの協力をしながらステップを一段ずつ踏んでいければと思います。
案内して頂いたみなさん、ありがとうございました。

September 19, 2013
俵浦まちあるき【佐世保/河津】

9月14日、佐世保のまちあるきに行ってきました。
今回は、佐世保の市街地から車で約20分の場所、俵浦を歩いてきました。

佐世保到着後に、佐世保コンベンション協会の富田さん・中島さん、佐世保市役所に勤めている研究室OBの宮崎先輩と合流し、俵浦へ車で向かいました。
到着後、自治会長の南部さんと会計の岩佐さんからお話を伺いました。子供が都市へ出ていってしまう事、観光客への案内表示が少ないために住民の方が案内係になってしまっている事が悩みとおっしゃっていました。

その後、南部さんと岩佐さんとお別れして、九大・佐世保コンベンション協会・市役所のグループで街歩きを行いました。
森の中に、昔倉庫として使われていたような建物、古い港、さらには海岸やキャンプ場など、俵浦半島には、歴史が見えるものからレジャー場所まで、楽しめる要素が多くありました。一か所にこんなに内容が盛り沢山な場所はそう無いだろうなと思います。



昼食を取った後、佐世保駅まで戻り、コンベンション協会の会議室をお借りして9/27,28に行う地元の方とのセッションとまちあるきについての打ち合わせを行いました。

次のまちあるきでは、地元の方達と一緒に歩きながら、学生からたくさん質問できるよう準備を進めていきます。
今回は、私たちの準備不足もあり、学生からの発言があまりできませんでしたが、次回はしっかりと準備して、楽しいまちあるきにしたいです。

September 16, 2013
「北崎プロジェクト」始動!〜第一回まち歩き【北崎/裴(ハイ)】

はじめまして!
5月から景観研究室に仮配属させていただいてます、
国際コース(G30)学部3年の裴 宇翔(はい うしょう)と申します。
中国吉林省長春市から来ました。
宜しくお願い致します!
いきなりですが、
私たち研究室で新しい地域づくりプロジェクトに携わることになりました。
その場所は…
北崎!
…と言われるとピンと来ない方が多いと思いますが、
ココです!↓(赤線内)

糸島半島最北端、そして福岡市西区の最西端に位置するここ、北崎校区ですが、
なんと九州大学伊都キャンパスから車で10分という至近距離!
にもかかわらず、3年間も伊都地区で暮らしていた僕はまだ2、3回しか北崎校区に行ったことがないのです。
伊都キャンパスに通う九大生で、「北崎」という地名を知らない人も少なくはないでしょう。
まだまだ知らない事がいっぱいの北崎校区、
そこにはどのような課題があり、どのような魅力があるのか。
北崎校区を地域の皆さんとよりよい場所にするべく、
「北崎プロジェクト」活動の第一ステップは、
地域のみなさんとの「北崎校区まち歩き」から始まりました。
冒頭が非常に長くなってしまいましたが、
今回は7月26日と9月9日に行われた二回のまち歩きの内、
第一回目のまち歩きについて紹介したいと思います。
【2013年7月26日・第一回北崎校区まち歩き】

どーん!!
この絶景、いかがでしょう?
天気の影響で若干霞んで見えますが、
長浜海岸が描く緩やかなカーブが一望出来るのは素晴らしい!
ここは、北崎校区南に位置する草場地区の「柑子岳(こうじだけ)」。
標高254メートルもある山を初っ端から登ることになるとは…
しかし、勾配は急ではあれ、登山道はしっかり整備されており、
道中もう少し眺望を確保できるように木が適度に伐採されていれば
とても魅力的な上級者向けハイキングコースでした!
なんといっても山頂の景色を思い返せば、
多少苦労しても登り甲斐のある山です。
続いて地域の方のご案内で来たのがここ、小田(こた)地区の「光明寺」。

ここの仏像は県の重要文化財にも指定されており、
お寺の手入れをされている地域の方が醸し出す生活感にとても心癒されました。
北崎公民館で地域の方と昼食を取とった後、
宮浦(みやのうら)地区の町内を散策しました。

住宅が密接しており、坂道が続く町内は尾道を彷彿させるものがありました。
外国人の僕にとってはこれがとても「日本らしく」感じます。

宮浦町内から見る唐泊(からとまり)漁港、
遠くに見える山は何と先ほど登った柑子岳!
唐泊漁港は、糸島半島にある数少ない東向きの漁港で、
万葉歌碑にも書いてあるように、
その昔、遣新羅(今の韓国)使がここで風待ちをしていたそうです。
なかなか歴史が深い場所だったのですね。

唐泊漁港北端に位置する唐泊公園の「くじら石」。
大型の漁船や、クジラをつなぎ止める為の穴が空けられているのがおわかりでしょうか?
これには、樋口先生も、「これは北崎の宝物!」と絶賛されておりました。

さて、この綺麗な砂浜はどこにあるのでしょうか?
…秘密です!
「後浜(うしろはま)」と呼ばれるこの砂浜は地域の方のプライベートビーチの様なもの。
グーグルマップで調べても出て来ませんよ(笑)!
さて、一日のまち歩きが終わり、最後は北崎公民館で当日撮った写真を見ながら、
一日の振り返りを行いました。

まだ北崎校区の東側しか回っていませんが、
すでに北崎のあふれるばかりの魅力に圧倒されてしまいました。
こんないいところがあるのに、なぜ知らなかったんだろう…
同時に、北崎校区が抱える少子化問題も明らかになり、
今後地域の方と一緒に解決するべき課題が見えて来ました。
当日の案内をしてくださった板谷さん、西山さん、木藤(義治)さん、横山さん、田中さん、柴田(順一)さん、黨(隆雄)さん、そして北崎まち歩きを企画してくださった黨(秀一)さん、本当にありがとうございました!
第二回目のまち歩きレポートは次回の投稿で!

柑子岳山頂にて

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