風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常を、その時々の現役学生の目を通して、お伝えしていきます。
August 31, 2010
九州デザインシャレット2010【高尾/行事】

本日から九州デザインシャレット2010in唐津が始まりました。
本研究室からは樋口が講師、西村(M1)が事務局、荒巻(M2)がチュータ、小川(B4)、鬼塚(B4)が受講生として参加しています。
スタッフ通信で現地の様子が随時発信されていますのでぜひご覧ください。
OB・OGからの応援メッセージもお待ちしています!

August 27, 2010
第16回風景デザインサロンのお知らせ【渡邉/行事】

樋口が幹事長、高尾が事務局長をしている「風景デザイン研究会」で、哲学者の内山節氏をお招きして、シンポジウムを開催しますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
【風景デザイン研究会】第16回風景デザインサロンのご案内
講師:内山節氏(哲学者)/テーマ:「共同体と向き合う」
風景は、その地域の暮らしを映し出しているものです。私たち景観に関わる専門家や技術者は、地域に暮らす人々の声を聞き、地域の暮らしを深く観察し、風景と暮らしの深い関わりを理解しなければなりません。そのとき、九州における風景と暮らしの様々な関わりを理解する上で鍵となるのが「地域共同体」という存在ではないかと考えます。「地域共同体」は同じ環境でともに生きてきた中で共有された精神文化をもつ小さな社会と捉えることができます。その共有された精神文化は、環境への関わり方における「作法」としてその地域において継承されていくものです。
この地域共同体がもつ環境に対する「作法」が、その地域の風景としてあらわれているのです。
こうした共同体を軸にした風景形成メカニズムに対する理解は、環境と人間との共作である「文化的景観」の維持・保全を考える上でも欠かせないものとなります。そして、それは農山漁村集落のみではなく都市や郊外住宅地も対象とした広義の文化的景観に適用可能なものなのです。
本サロンでは、地域共同体について深い示唆を含む『共同体の基礎理論』(農文協)の著者である哲学者の内山節氏をお招きし、「共同体と風景」について考えたいと思います。自治体職員や建設技術者、若い世代の方々など、これからの九州の風景デザインの未来を担っていく皆さんとともに「地域共同体」に対する理解を深め、「地域共同体と向き合いながら風景づくりをどう実践していけばよいのか」について議論をおこないたいと思います。一人でも多くの皆様のご参加をお待ちしておりす。
◇講師:内山節氏(哲学者)
◇開催日時:9月22日(水)15:00~18:00
◇会場:九州大学USIサテライト・ルネット
(福岡市南区大橋1丁目3番27号/西鉄大牟田線大橋駅徒歩1分)
◇定員:50名程度
◇主催:風景デザイン研究会
◇参加費:会員1,000円 非会員2,000円
◇申し込み・問い合わせ:渡邉加奈(九州大学大学院)
 e-mail:kana@doc.kyushu-u.ac.jp TEL:092-802-3392 FAX:092-802-3391
◇詳細プログラム:                 
14:30      受付開始
15:00~15:05 主旨説明 / 渡邉加奈氏(九州大学大学院)
15:05~15:45 基調講演 / 内山節氏(哲学者)「地域共同体とは」             
15:45~16:00 問題提起 / 高尾忠志氏(九州大学大学院特任助教)
             「風景づくりにおいて共同体とどう向き合うのか」
16:00~16:10 休憩
16:10~18:00 ディスカッション「共同体から地域の風景を考える」
         パネリスト / 内山節氏(前掲)
               徳永哲氏((株)エスティ環境設計研究所所長)
               田北雅裕氏(九州大学大学院専任講師)
               高尾忠志氏(前掲)
        司会 / 渡邉加奈氏(前掲)
※なお、サロン終了後、内山先生を囲んで懇親会を行ないます。
◇参加方法:下記申し込みフォームにご記入の上、9月10日(金)までに渡邉までお申し込みください。
◇参加申し込みフォーム:
 第16回風景デザインサロンに参加します。
 氏名  :
 年齢  :
 所属  :
 連絡先 :
 懇親会 :有・無

August 26, 2010
論文ゼミ【研究/渡邉】


今年度4回目の論文ゼミが開催されました。
修士論文について牛房と渡邉、卒業論文について小川、芸工からいらっしゃってくれている田添さんが発表しました。
テーマは以下の通り。
牛房「失われた高千穂線の車窓風景について」
渡邉「風景の多義的な価値の制度化に向けた景観計画の試みに関する研究」
小川「宮脇檀による戸建て住宅地の評価」
田添「環境移行に伴う心理的変化と適応要素抽出についての質的研究」
ということで、進んでおります。
まだまだ始まったばかりですが、集中して一歩一歩進んでいきましょう!
がんばりましょう。
その後、プロジェクトゼミをおこない、M1中心におこなっているプロジェクトの進捗状況の確認と今後のスケジュールを確認しました。今日は、ゼミの前に樋口先生から問題提起があり、研究室全体でどうプロジェクトに取り組んでいくのかということを話し合う機会を与えてもらったためです。個人個人が今後プロジェクトにどのような姿勢で取り組んでいくのか、という大事な話もしました。
私自身、先輩として怠慢だった部分があったことを反省しましたし、それぞれが自分の考えるべきこと、やるべきことについて考え直す良い時間だったと思います。プロジェクトを気概を持って楽しんでやることが本当に大事ですね。研究も同じですが。
地域に対して想いをもって、真摯に取り組むことの喜びを味わえる、楽しめる研究室の環境づくりを心がけていきたいですね。
私自身の役割としては、外にどんどん出て行く機会をできるだけ紹介するとか、外に行って出会った人のことや、本を読んで知ったこと・考えたことを発信して、できるだけいろんな世界をみんなに紹介するように努めることも研究室への貢献かなぁと思ってやっているので、今後もこれは私の一つの役割としてがんばろうと思います。議論する場をつくる、ということも心がけていきたいです。
ということで、皆さん。
今後もプロジェクトゼミを開いて、想いを共有して、楽しんでいきましょー!!

August 24, 2010
自治体学会に参加して【行事/高尾】

渡邉さんが報告してくれた自治体学会は、私も初めての参加でした。
とても充実したプログラムで、全てのセッションにおいて単なる知識の習得にとどまらず、
地域自治・地域主権、自治体・公務員に対する考え方まで含めて大変勉強になりました。
総じて時代は大きく動いているのだなと感じました。
そしてそれはこれまでに日本各地の自治体で行なわれた多くのブレイクスルー的取り組みの結果なのだとも思いました。
私自身は、地域の景観が真のローカリティを獲得するためには、
地域でその意味や価値を共有し、それを継承していくためのシステムを意志決定することが重要だと思い、
それはこの学会での議論とも関係するだろうなと思って参加し、その感をさらに強くしました。
この学会のメンバーともっと現場で連携しかなくてはいけないなと。
文化的景観を中心課題とした歴史学・民俗学・地理学・文化財学関係、共同体や合意形成を中心課題とした社会学・哲学関係、
そして、地域自治や地域主権を中心課題とした行政学・法学関係との交流。
さらには、生物多様性を中心課題とした環境関係、産業としての価値を超えた農林漁業関係も。
こうした他流試合を積み重ねていきながら、本当に地域づくりと密接に関係した景観の分野の展開を
目指していくことが、景観を市民に開かれたものにしていくためにとても重要だと考えています。

August 20, 2010
自治体学会in武雄Part3【行事/渡邉】

つづいて、シンポジウム「現場から問う地域主権戦略」。元ニセコ町長で現在首相補佐官を務める逢坂さんがパネラーとして出席。私は存じ上げませんでしたが、逢坂さんは、町長時代にニセコ町が全国初の自治基本条例を策定したことで、自治の分野では非常に有名な方のようです。逢坂さんから地域自治に関する現状説明(出先機関の廃止や交付金、地方自治法改正の話など)ののち、様々な議論がありました。ナショナルミニマムをどう捉えるか?を今きちんと考え乗り越えていくことが成熟した民主主義の核心である。さらに、これからは市民の自治を高めシビルミニマムへ向かっていく。住民の力が問われる時代だ。財源に対する計画性など自治体の判断力、力量が問われる時代でもある。などなど。
最後に地域総合計画のあり方に触れ、逢坂さんから「地域総合計画の構想の部分はうるおい・いきいきみたいな漠然としたどの地域でも書けるようなことを書くのではなく、その自治体の哲学が書かれるべきであり、その構想について議会で話し合い議決することに意味がある」という発言がありました。とても感動的な発言だったと思います。
そして、最後の分科会「地域の売り出し方」は、佐賀のがばいばあちゃんのロケ地「淀姫神社」にて行われました。パネラーは武雄市樋渡市長、長崎市田上市長、由布院玉の湯の桑野さん。

なんとも豪華ですよ。大興奮です。
風が涼しく吹き始めた夕暮れ時、縁日のような雰囲気の中での分科会でした。
大切なお話としては「観光は波があって、変化するものだけれど、自分のまちであるということだけは変わらない。何をするにも、責任を持って立ち止まって考える」という桑野さんの発言。関連して、「大きな流れの中で見て判断をする。街は長く存在するので、方向性が大事。そのときの基準は短期間で見たら苦しくても長い目で見たらどちらが長く続くのか、ということだ。」という田上市長の発言。などなど。本当にそうだな、と共感。
最後に「観光で売り出すことで地域の本来の価値が損なわれることもあると思うんですが、どう考えていますか。」という質問をしてみたのですが、桑野さんから本当に素敵な回答をいただきました。
「人々に支持されるものが持続するものです。日本の風景の美しさは世界に支持されるものです。日本の風景の美しさに関わっていくことは行政にしかできないことですから、景観も含め、すべてを考えていくことが大切だと思います」と。
なんだか胸がいっぱいになる、ずっと大切にしていきたいお答えでした。
大切にします。ありがとうございます。
地域自治の世界にやっと一歩足を踏み込んだ、そんな二日間でした。風景や地域づくりを中心にして私たちのまわりに広がる新しい世界に視野を広げていくことは大切です。
地域自治と風景がどんな風につながっていくのかということについては、12月に熊本大学の伊藤洋典先生を講師に「地域自治と風景(仮)」をテーマにした風景デザインサロンが開催される予定ですので、そのときまたゆっくり考えてみたいと思います。

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