風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
September 21, 2010
ゼミ【研究/深川】


本日はゼミがありました。
内容は、プロジェクトと論文。
まずはプロジェクトから。
研究室に関係しているプロジェクトについて、対象地ごとに現在行っていることについて全員で確認しました。
対象地についてご紹介しておきますと、
唐津市、五島市、佐世保市、由布院、佐賀市、遠賀川、筑後川。
本当に多くの地域と関わらせていただいていることが分かります。
続いて、研究。
今年の論文生は、M2渡邉、荒巻、牛房、田添(ユーザー感性学専攻)、B4小川の計5人です。
各人の研究は、
渡邉さんは、由布院町における町づくり条例について、
荒巻さんは、河川における地域の歴史性について、
牛房さんは、旧高千穂鉄道の失われた価値について、
小川君は、宮脇檀設計の住宅地について、
進めていくようです。
本業が建築である田添さんは、自身が社会の中で感じた問題意識をテーマに研究を進めていくようです。
10::00から始まったゼミは、お昼休憩を挟み、16:30に終了。
今年度最長のゼミとなりました。
いよいよ本格的に研究モードに突入する感じです。
今年も悶々な日々がやってきます。

September 16, 2010
第17回風景デザインサロンのお知らせ【行事/高尾】

風景デザイン研究会では、引き続きサロンを開催しています。今年は豪華です。ぜひご参加ください。
【風景デザイン研究会】第17回風景デザインサロンのご案内
講師:桑子敏雄氏(哲学者/東京工業大学教授)/テーマ:「空間の履歴と風景」
「景観の価値」をその根底から捉えようとするならば、「景観の歴史」だけでなく、その一歩先に踏み出す必要があります。「景観の歴史」では、一人ひとりの人生とともにある風景の価値については、論じることができません。だから、「景観」から「風景」へ、そして「風景」から「空間の履歴」へと意識を向け変えよう。風景の向こう側にある空間の履歴を掘り起こそう。空間の履歴を発掘することが、風景の価値の探求を、さらにその向こうにある環境のもつ価値へと導くであろう。(桑子敏雄氏『風景のなかの環境哲学』より)
哲学者・桑子敏雄氏によれば、「空間の履歴」とは人と空間がどのような関係を結んできたかという過去の出来事の蓄積である、といいます。私たち専門家や技術者は、その空間の履歴を読み、風景の本当の価値を見分ける力を持たなければなりません。
本サロンでは、まず、桑子氏に「空間の履歴と風景」と題してご講演いただき、つづいて島谷幸宏氏との対談により「九州の風景の見分け方」についてご議論いただきます。
風景やデザインに関わる様々な分野の方々にお集まりいただき、お二人の議論を聞きながら「風景デザイン」に対する見方を広げ、さらに、会場の皆さんとともにそうした九州の風景にいかに関わっていくのかについて、議論を深める機会としたいと思います。
◇講師:桑子敏雄氏(哲学者/東京工業大学大学院教授)
◇開催日時:10月12日(火)16:00~18:30
◇会場:あじびホール(福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル8階
/地下鉄中洲川端駅6番出口より徒歩すぐ)
◇定員:100名程度
◇主催:風景デザイン研究会(http://www.fukei-design.com/)
◇参加費:無料
◇申し込み・問い合わせ:渡邉加奈(九州大学大学院)
 e-mail:kana@doc.kyushu-u.ac.jp TEL:092-802-3392 FAX:092-802-3391
◇詳細プログラム:                 
15:30      受付開始
16:00~16:05  主旨説明:渡邉加奈氏
16:05~16:50  基調講演:桑子敏雄氏「空間の履歴と風景」
16:50~17:00  休憩
17:00~18:30  対談「九州の風景を見分ける」
           パネリスト:桑子敏雄氏
           コーディネータ:島谷幸宏氏(河川工学/九州大学大学院教授)
 ※なお、サロン終了後、桑子先生と島谷先生を囲んで懇親会を行ないます。
◇参加方法:下記申し込みフォームにご記入の上、10月4日(月)までに渡邉までお申し込みください。
◇参加申し込みフォーム:
 第17回風景デザインサロンに参加します。
 氏名  :
 年齢  :
 所属  :
 連絡先 :
 懇親会 :有・無

September 16, 2010
佐賀クリーク・その後【佐賀クリーク/高尾】

先日、佐賀市景観計画策定委員会に出席の後、以前景観アドバイザーをした佐賀市の水路の現場を見に行きました。
このプロジェクトは合意形成に非常に苦労し、施工段階におけるデザイン監理をできるような状況ではなかったのですが、
やはり年に1,2回訪れて進捗状況を確認しています。
それが一緒に頑張った学生やコンサルタントの皆さんへの私の責任かなと思っています。
今回みた限り、水路については工事は概ね完了していました。
(水路沿いの公園等、区画整理事業における工事がまだ未完です)
ディテールの変更はあるものの、設計段階で協議したとおりにできあがっています。

林(博)君や粟生君と取り組んだ最初の区間(第Ⅳ工区)。
島谷先生と樋口先生にアドバイスいただきながら試行錯誤でした。
この区間はできてから時間が経過していることもあってずいぶん馴染んできました。
植生も外来種が少ないようで良い感じです。

田浦さんと一緒に取り組んだ区間(第Ⅱ工区)。
ここは大きな公園が隣接してあったため、水路を広げて、曲げることができました。
この曲がり具合を、通称「田浦ライン」と呼んでいました。彼女の汗と涙の結晶です。
クリークらしい線形で、よい感じにできたと思います。
ちなみに、その隣接する公園との一体的なデザインを提案した時の模型が、このブログの右上にあるプロフィール写真のコルク模型です。

最後に取り組んだ区間(第Ⅰ工区)。
この区間を検討していた時は、コンサルの担当だった時岡さんや市の担当だった泉さんが思いを共有してくれていて、
彼ら二人が主導的に設計をしてくれました。隣接する神社との雰囲気もあっていて、よい感じと思います。
本当はもっともっとやりたいことはありました。
でも、様々な条件による限界のなかで、みなが頑張ってくれて、
コンクリート三面張りになるはずだった水路を少しでもよくできたのではないかと思います。
かかわり続けることの大切さを学んだプロジェクトでした。
これからも定期的に見に行きたいと思います。

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