風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常を、その時々の現役学生の目を通して、お伝えしていきます。
April 27, 2013
大島現地調査【唐津/河津】

初めましてこんにちは!今年度から景観研究室で勉強することになった学部4年の河津です!皆様、どうぞよろしくお願いします。
さて、4月15日に、佐賀県唐津市の大島へと現地調査へ行ってきました。今回の調査は、先日のブログでお伝えした大島の1/1000模型を作る際に必要な情報を集めに行くという目的です。
私たち学部4年の鍛治・河津は先輩より一足先に現地へ向かい、これまで先輩達が取り組んできたプロジェクトの現場を見てきました。

先輩達の成果に驚かされつつ、これからどのようなことを考え、取り組んでいこうかと二人で悩んで考える時間でもありました。
近くで美味しい海鮮丼をいただいた後、いよいよ先輩達と大島の調査開始です。
私達4年は模型・図面上での大島は見てきましたが、実物の大島へ行くのは初めてです。
今回の調査では、島の模型の一部である民家がどのような形であるか、高さはどうか、という事・現在公園までの道はどうなっているのかについて調べました。

調査時は家を一軒ずつじーっと見ていくものでしたから、住民の方は不快な思いをされるだろうと内心不安ではありましたが、すれ違う方々から「頑張ってね」「いい模型作ってよ!」とたくさん温かい言葉を頂きました。嬉しさと同時に気が引き締まる瞬間でもあります。
建物の調査終了後、大島公園への道を進み(実際は軽い登山でした)、展望場へ到着。

海・山・そして人が住む空間。すべてを一望できる素敵な場所です。かなり木が育っていることも分かります。先輩からも島や風景の事について色々と教えていただきました。
実際に現地へ行って初めて分かる事が多くありました。模型だけでは実際のその風景や、感覚を体験することはできませんね。この日見た景色や感じた事を今後のスタディに生かそうと考えています。
最後に、大島の皆様、1日中島のあちこちを歩きまわりご迷惑をおかけしたかも知れませんが、温かく迎えてくださって本当にありがとうございました!

April 27, 2013
唐津・錨のモニュメント【唐津/樋口】

唐津東港でのみなとまちづくりの拠点となっている二タ子三丁目倉庫。同倉庫の利活用を考える「みなとまちづくり懇話会二タ子三丁目倉庫利活用WG」では、この貴重な空間をどのように整備し活用していくべきかをいつも考えています。そこでの議論の中から、海辺らしさをもっと演出するために錨のモニュメントを作ろう!というアイデアが生まれました。使用する錨は、数年前に引退(海上保安庁では解役といいいます)した巡視船「まつうら」が装備していたもので、当時の川上保安部長のご尽力で、みなとまちづくり懇話会での有効活用を条件に保安庁から頂戴しました。錨の支柱にする石柱は、トロッコ倉庫で基礎に利用したものと同じ旧松浦橋橋脚の御影石を使います。再塗装や据付けの費用は市役所が準備してくれることになりました。

製作要領図は九大で作成しました。

再塗装前の錨。全部で三基あり、今回はそのうちの一基を使用します。全体に錆が出ていますが、少し磨くとピカピカの鉄の地肌が出てきます。

先先代の松浦橋。橋脚の柱の部分が御影石の石柱です。一本の長さが2400mmもあります。かつては波に洗われる場所で使われていたため、今も牡蠣殻がついています。

まずは設置場所にコンクリートの基礎をつくり、石柱を据え付けます。コンクリートだけだと寂しいので、WGのメンバーで唐津の海岸で拾った貝殻や石を表面に埋め込みました。

まだ途中ですが、はいチーズ。当日ラリーイベントの準備に来られていた青木市議さんにも入っていただきました。青木さんからは、このスペースが様々な活動に利用できるよう機能的なデザインにしてくださいとのアドバイスをいただきました。後ろに見えるのは左が大島、右が高島です。

いよいよ錨の設置です。ユニックで吊りながら位置を調整します。

長年実際に使用されていた錨には、強い存在感があります。

最後に石柱の背面に地元産杉材のフラッグポールを取り付け、今回のために景観研OBの佐藤君がデザインした二タ子三丁目倉庫のフラッグを掲揚して完成です。作業に当たってくださった皆さん、お疲れさまでした!
バブルの頃とは違い、国も県も市もお金がないため、唐津の港まちづくりは少しずつしか進みません。それでも懇話会をはじめ地元の方々のアイデアと努力で着実に前に進んでいきます。この錨のモニュメントもそんな一歩の一つです。大きな予算で一度にぱっと作ってしまうよりも、小さくても一つ一つの取り組みを皆の力を合わせて積み上げていくやり方の方が、結果としてよい結果、多くの人に大事にされるよい空間の創出につながるように思います。
巡視船「まつうら」から譲り受けた部品には二基のマストもあります。今年はこのマストを利用したモニュメントにも目処を付けようという話が進んでいます。どんなものができあがるか、乞うご期待です。

April 26, 2013
シャックル交換作業【唐津/平野】

現地にてシャックルの付け替え作業を行いました。
作業は、特注シャックルと取り替える6箇所のチェーン、逆向きにシャックルが取り付けられた4箇所が対象です。
作業の手順は次の通りです。
①シャックル取り替え前の写真を撮影し記録する。
②シャックルの交換を行う。
③チェーンの垂れ方を確認する。
④シャックル取り替え後の写真を撮影し記録する。
⑤シャックルを交換した後、タッチアップを行う。
シャックルを交換する作業には人手が必要です。
2人がチェーンを持ち上げ、その間に1人がシャックルを交換します。
【Before】シャックル交換前

【After】シャックル交換後

写真中央のチェーンの高さが高かったためシャックルを取り替えました。
シャックルの交換によりチェーンが下がっています。
シャックルの交換が全て完了したら、作業で塗装が剥がれた部分をタッチアップ(仕上がったあとの修正塗り)しました。

今回の作業により、私のミスで発生したチェーンの垂れ方が異なる問題は一通り解決することができました。
本来ならば必要ない作業が発生してしまい、完了までに随分時間がかかりました。
今後このような不手際を起こさないように、注意しすぎるくらい確認をするように気をつけて仕事をします。

April 22, 2013
シャックル塗装【唐津/平野】

唐津東港の転落防止柵でシャックルの付け替えを行います。
九大がミスした部分は特注でシャックルを製作して対応することになりました。
現地で実測して、必要なシャックルの長さを計算しました。
特注シャックルの製作依頼は、広島にある早間金属有限会社さんに依頼しました。
3月に一度特注シャックルの製作をしたのですが、現地で取り付けをした際何箇所か再計測が必要となってしまい、
今回は2回目の製作依頼となりました。
シャックルの表面はユニクロメッキ仕上げです。
製品が手元に届いたら、チェーン、ボラードのキャップと同じ塗料をシャックルにも塗装します。
均一に塗装できるようシャックルを棒に引っ掛けて塗装しました。




次は現地でシャックルの付け替えを行います。

April 21, 2013
唐津模型制作【唐津/行徳】

今年度始めのプロジェクトは唐津の模型製作です。
唐津市では、平成16年にみなとまちづくり懇話会が設置され、唐津港を将来どのような港にしたいかを地元の方々が真剣に議論し、市民協働のみなとまちづくりが行われてきました。九大景観研もみなとまちづくりに参加し、継続的にお手伝いをさせていただいています。
懇話会では、みなとまちづくりのあるべき姿や地域が考える基本的な方向性などについて議論を重ね、平成17年には唐津港一体の将来像をまとめた「地域素案」が完成しています。
みなと周辺で実際に事業が行われる際にはデザイン専門家会議(懇話会の組織)により、地域素案にもとづいて具体的なデザイン案の検討が進められてきました。
現在まで、松原の会の植樹活動、Aゾーン、Bゾーン、フェリーターミナル、水産会館、水産埠頭線、人道橋、トロッコ倉庫など、懇話会やデザイン専門家で考えられてきたみなとまちづくり案の実現に向けて事業が取り組まれています。
今年度唐津市では、グランドデザインを考える会が開き、これまでの事業を通して少しずつ考えられてきた具体的なデザイン案の取りまとめを行います。
みなとまちづくりの一部である大島では、30年前に大島市民の森公園が整備されていました。
この公園では様々な種類の木々や動物と触れ合え、唐津の市街地や海を望める展望台が整備されていました。
しかし、30年たった今は予算の関係で木の維持管理が行き届いていません。
成長した木により頂上付近の展望台から眺望は望めず、園内は木々が生い茂り地元の人があまり利用してない状況にあります。
現在、大島公園の再整備に向けて展望部会が開かれ、大島公園の再生に向けて唐津市や地元の方とともに議論が行われています。
九大では、今年度のグランドデザインを考える会に向けて大島から西の浜までの模型を作成することにしました。
今回は作成範囲も広く唐津港全域について考えるために1:1000スケールとし、3枚の合板(1830×915)を使用して模型を制作することにしました。
まずは、5月14日に開かれる第3回展望部会に向けて大島公園周辺地域から作成することとしました。
大島公園周辺地域についてはこれまでデザイン専門家会議で具体的なデザイン案について検討されていないため現況模型を作成します。
この現況模型をもとにして、大島公園の整備案を検討していきます。
大島は高さ176mで、地形図では等高線が2m毎にひかれているため、2mmスチボを使用して計88枚のスチボを積み上げたコンター模型を作成します。
軽量化を図り、スチボの使用料を少なくするために今回は中を空洞にして作成します。
また、B2サイズスチボを使用するため大島を右上、右下、左上、左下の1/4に分割し、これらを組み合わせることで大島を作成することにしました。

空洞作戦は5枚のスチボに同じ地図を貼り、等高線5本分毎 (0m,10m,20m,30m)(2m,12m,22m)(4m,14m,24m)にそれぞれ切り抜いてパーツを作成していきました。

次に切ったパーツを2m,4m,6mと右下、右上、左下、左上毎に積み上げていきます。
ここまでは先生にアドバイスをもらい、新入生もフル稼働しながら順調に作業は進んでいきました。
しかし、、、、、、
模型の積み上げが半分程度終わったところで確認のために右上、右下、左上を合わせてみると、、
あいません。何度やっても。
パーツを切る精度は良かったのですが、重ねていく作業の精度が悪く、1/4パーツを連結させると水平方向にズレが生じてしまったのです。
また、研究室にもともとあった2mmスチボと新しく買った2mmスチボの高さが微妙に違う(新しいものは2.1〜2.3mm)ため1枚程度の使用では問題がないものの数十枚重ねた時に鉛直方向にも高さのズレが生じました。
製品の微妙な違いはあったもののこの2つの問題は、全体を確認せずに部分で作業を行っていたために発生してしまったものです。
この問題はスチボを切断するだけで解決できるものではなかったため、最初から作業をやり直すことにしました。。。。。
これらの問題を共有した上で対応策として、1/4パーツカットを行ったあとは大島の地図の上に1段ずつ境界を調整しながら重ねていくことにしました。

1回作業は行なっているので以前よりもスピードは早く、全体のできあがりを確認しながら作業を行います。
特に境界部分には注意を払いながら、スチボを積み重ねていきます。

B2サイズ1枚に収まる高さより上の部分は1枚でカタチをとりながら完成させていきます。
80段以上ものコンター模型で、中は空洞であるため様々なところにズレが生じますが一つ一つ調整しながら積み上げて行きました。
下には土台を作成しています。

大島ひとまず完成です。
次は建物の高さ、道の調査のために現地に向かいます。
今回使用している地形図が20年前のものなので、現地調査で現在の大島について調べます。
この模型を使用して地元住民の方に見てもらう際、まず何に注目されるのか?
そう、自分の家です。
もし自分の家がなかったら、もし隣に今はない建物が建っていたら、この模型の信用にもかかわり地元の方にリアリティを持ってもらうための大事な要素です。
現地調査頑張ってきます!

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