風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
November 17, 2015
塩田石採石場視察【塩田津/工士】

11月16日(月)に塩田石の採石場の視察に行ってきました。

 

10月7日(水)に嬉野市役所、塩田津住民、九大景観研・河川研で伝研地区の道路舗装の打ち合わせを行いました。以前から提案していた石畳舗装は、残念ながら今年は採用されませんでしたが、来年度以降も石畳舗装について検討を重ねていくという合意形成がとれました。
私の卒論は、塩田石を使用した石畳舗装はどうすれば可能かを調査し、塩田津の町並み景観をより素敵にする道路舗装のデザイン提案をすることです。
そのためにまず、石畳舗装に最も重要な塩田石が確保できるか調査するために、
石工さんを含む住民の方11人と一緒に塩田石の採石場に足を運びました。
またオガタストーンの緒方さん親子にも来ていただきました。
緒方さんは全世界を飛び回り、世界の様々な石を自分の目で見ていらっしゃいます。
元々職人さんでもあり、知識がとても豊富で日本でも有数の石の専門家です。
私たちや地元の方々は石についてまだまだ知らないことが多いので
緒方さん親子に実際に塩田石の採石場を見ていただき、意見を伺いたくこの機会を設けさせてもらいました。

採石場を全部で4箇所見学しました。
それぞれの場所で緒方さんの目で質が良いかどうか、採石方法はどういうものが適切か解説していだたき、終始勉強になりました。

この日見学した採石場の中で、最後に見に行った小学校の裏にある採石場が1番質が良いそうです。
切り出した大きな石も数多く転がっていました。

この場所の石を見た瞬間緒方さん親子の顔がすごく笑顔になったので、
この石が良いことは私たちにもすぐにわかりました。
またこの土地は、今回来てくださった石工の筒井さんが所有してる土地でした。
塩田石の確保について希望が見えてきました!
その後ツバメラボに向かい、これからの塩田石の復活について話し合いをしました。
塩田石や塩田の石工さんの技術は、今後も受け継がれていくべき素晴らしいものです。
道路舗装をきっかけに塩田石の話が出始めましたが、塩田川の護岸の整備や家の基礎、石造物など塩田石を必要とする機会はこれからもあるはずです。また、道路舗装に塩田石を使うことでより多くの人に塩田石の魅力が伝わり、さらに需要が出てくる可能性もあります。また、塩田石を復活させようと何かしら動くことが塩田のまちづくりにもつながります。
そのようなことを話し合いながら、住民の方、緒方さんの意見を伺い、これから塩田石の復活に向けて協力してくださるということに決まりました。
今後も緒方さん親子を含め、集まりを開催し、塩田石の復活に向けて動いていきたいと思います!
October 9, 2015
塩田津重伝建地区選定10周年![塩田津/大瀬]
こんにちは
学部4年の大瀬です。
10月から景観研に、印くんという中国からの留学生の仲間が増えました!
さて、塩田津が重要伝統的建造物群保存地区に選定されて今年で10年です。
10月2日、3日の「ふるさと見分け」
10月4日の「10周年記念式典及び市民フォーラム」に参加しました。
「ふるさと見分け」とは、
東京工業大学の桑子敏雄教授が提案されたもので、
対象地域を歩き、その地形的・歴史的特徴を学び、地域の魅力の再発見をし、今後のまちづくりに活かしていくというものです。英語では「Finding Home Place」と言うそうです。
桑子先生、合田博子先生、岡田眞美子先生のお三方をお招きし、地域に詳しい方の案内のもと、
川古の大楠、武内神社、黒髪神社、黒尾神社、妻山神社、稲佐神社、祐徳神社、丹生神社などをまわりました。

この、ほら貝の形をした水汲み場が、私の一番のお気に入りでした!昔の石工さんの技術を実感できました。
ふるさと見分けで、佐賀の歴史、自然、風景に触れ、守りたいものや、伝えていきたいものを感じることができました。
市民フォーラムでは、今後の塩田津のために「しよう!の提案」というWSをしました。
これからの塩田について、皆さん真剣に考えられていました。
かつての塩田津のにぎわいを取り戻したいという強い思いが伝わってきました。
まずは小さなことからでも、みなさんと一緒に取り組んでいきたいです。
September 29, 2015
塩田津三の膳勉強会・街路打ち合わせ【塩田津/工士】

9月29日は塩田津に行ってきました。

午前中は、女性陣を中心に立ち上げた「塩田津三の膳復活プロジェクト」の第1回目の集まりでした。
塩田津は、とても豊かな食文化が育まれてきました。
おくんち料理や郷土料理、お菓子などは今でも地域にの人に親しまれていますが、途絶える危機にひんしています。そこで、ハレの日のもてなし料理として振舞われていた「三の膳」を復活させようということになりました。
このプロジェクトを通して、年配の方から若い世代まで一緒に学ぶことで、塩田津の食文化を次世代につなぐことができると思います。また、観光商品としての開発を目指すことも目的としています。
第1回目の今回は、郷土料理である
・だご汁(クジラ入り)
・だご汁(豚肉入り)
・ごんぼ(牛蒡)ごはん
・紅白なます
のレシピを教えてもらいながら地域のお母さんたち(花みずきの会)と一緒に調理しました。
完成した料理を、ときわ会のメンバーのおばあちゃんたちや数人の男性陣を加えていただきました。
ほっとするような味で、とてもおいしかったです。
ただ、みなさん調理中は経験からの目分量で味付けされていたので、わたしたち学生たちで味を再現できるか不安です。
三の膳の器やお盆は、各家庭に眠っているようで、今日はわたしたちに紹介するために屋根裏部屋から引っ張ってきてもらいました。立派なものがたくさんあり、これを屋根裏部屋に眠らせておくのはもったいないです。
これを使って今日の料理を振舞えば、よりおいしく食べられそうです。
今後メニューを作って、11月3日のおくんちの際に地域の方に振舞いたいと思っています。
午後からは伝建地区の道路改修の打ち合わせでした。
市役所の方も交え、前回の地域の方との協議を元に話し合いを行いました。
工期が迫っている中、市役所と地域の方と九大との合意形成を図るのは難しいです。
私達としては、アスファルト舗装ではなく、地元の塩田石を使った道路がいいのではないかと考えています。
また交通量がとても多いので、歩道を広くしたり段差を入れることで交通を抑制するような工夫が必要です。
頻繁に道路の改修ができるわけではない上に、専門の先生が参加する機会はなかなかない中で
せっかくのこの機会ですので、塩田津のまち並みに合う素敵な道路ができたらいいなと思います。
August 3, 2015
街路デザイン検討会【塩田津/工士】
今年度から、市が伝建地区街路の舗装をやり直すという話を7月30日の打ち合わせでお聞きしました。
よりいい案にするため、樋口先生を中心として九州大学のメンバーも協力していきたいということで、

8月2日に再度打ち合わせに行ってきました。

急なお話しだったにもかかわらず、塩田津から26名ものみなさんにお集まりいただきました。

現在の街路はこのような風景です。

先生方や市の峯崎さんから
現在の街路の状況や、他の伝建地区の街路の紹介、材料の性質について説明などがありました。
その後、みなさんからたくさんの意見を伺いました。

共通意見としては、次のものが挙がりました。

 

・車の交通量は減らしたい

・街路に使用する石は飛ばないものにしたい

・町並みに緑を増やしたい

・雨水と排水の水路を別にするのか、1本にしてコストを減らすかをこれから検討する

 

急なお話しでしたが、とても内容の濃い打ち合わせができました。

素敵な街路のイメージも浮かびやすくなったことかと思います。

塩田津に合うデザインを、これからみんなでしっかり考えていきたいですね。

また、打ち合わせが終わった後に塩田石の石切場をいくつか見学させてもらいに行きました。

とても立派な石がたくさんあり、驚きました。

この塩田石を活用して、鉢を作り軒先に並べて緑をもっと増やすのもいいですね。
これから塩田石の魅力を感じられるスポット探しもしていこうと考えています。
楽しみなことがたくさんあり、わくわくしています。
August 3, 2015
塩田津夢タイムズ【塩田/工士】

7月12日に開催されました、塩田津「川と町並み夢ぷらん」プロジェクトのワークショップを受け、

九州大学河川研の林先生を中心とし「塩田津夢タイムズ」の第一号が完成しました。
 

ワークショップなどがあったら随時この「塩田津夢タイムズ」を九州大学ツバメラボが発行していきます。
開催された内容や、これから取り組むプロジェクトについて記載されています。
新しいお店がオープンしたり、何か募集がある時は
そのことも載せていこうと思いますので情報がありましたら教えてください。

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