風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
一般社団法人LSDは、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな日常をお伝えしていきます。
November 12, 2014
北崎シェアハウスを改修しています!【北崎/河津】

伊都キャンパスの北、車で15分にある北崎地区の唐泊。
景観研の行徳・鍜治・河津は、今年度4月より唐泊の築48年の3階建の一軒家をお借りして、シェアハウス暮らしをしています。
子供が減らない状況を作っていくことを大目標に、学生の住民として北崎の良さを発信していこうと考えています。
そして先月末より、オーナーの高橋さんの許可を得て、シェアハウス1階を情報発信拠点として利用するための改装を始めました。
改修は私達以外にも地元の方が応援に来てくださって、私達と一緒に活動してくださっています。

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【改修前、測量】
はじめに、改装する1F部分の測量を行いました。
この1Fは床屋として利用されていた事があり、
物置や水道管の跡などが伺えました。
また雨漏りによって天井が腐り、抜け落ちている場所もありました。

室内の様子を確認しながら、改修の方針を決めました。
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【外壁フェンスの塗装】
フェンスには多数のサビが見受けられました。
サビは塗装を突き抜けて、ポツポツと出っ張りを形成していました。

バリバリになっているサビをワイヤーブラシを用いて磨き、
錆止め塗料、ペンキの順に塗装しました。

塗料の色はチョコレート色です。
これはシェアハウスの外観に合わせてこの色を選びました。
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【柱の腐食部の補強】
天井を開けてみると、柱が腐食している箇所がありました。
この箇所を補強するため、新たに杉の角材を腐食箇所にくっつけて、
金属のハゴイタ、座金ボルトで固定しました。

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【雨漏り部修繕】
雨漏りの原因は、戸井の腐食によるものでした。
雨が天井に落ちないように、腐食した部分を覆うように防水性のシートを取り付け、
シートからホースを伸ばして外に排水する仕組みで対処しました。
作業時には天井に杉の足場板を設置し、ホースで上から水を流しながら試行錯誤しつつ防水シートを設置していきました。
外壁に64cmの穴を空け、塩ビのパイプを通し、雨漏りした水が外に排水されるようになりました。

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【天井の塗装】
蛍光灯を分解し、壁紙を剥がしてみると、天井は石膏ボードを敷き詰めたものでした。
場所によっては雨漏りで腐食したり、カビが発生していました。
改修方法は今ある石膏ボードを白ペンキで塗装することにしました。
石膏ボードの繋ぎ目にパテを塗り、塗装後に連続的に見えるようにしました。
パテは粘土型を使用していましたが、うまく繋ぎ目の隙間に入れることができなかったため
クリーム型のパテに変更したところ、容易に施工することが出来ました。
パテを塗った後に、その部分をサンドペーパーで削って平らにし、
下地にカチオンシーラーを塗りました。
そして白ペンキを塗装しました。
ローラーを使用し、同じ箇所を時間を空けながら2,3回塗ることで塗りムラを少なくしました。

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【玄関横の側壁の板張り】
室内の側壁は杉板を貼ることで改修することにしました。
前あった化粧板は壊しませんでした。
化粧板をハンマーでかるく叩き、裏に柱がある場所を特定しました。
その柱に角材を取り付けて、その角材に杉板を設置していきました。
角材、杉板の取り付けには、釘が抜けにくくなるように螺旋釘を使いました。

ホームセンターで買ってきた杉板は寸法が長いので、
適宜長さを測りながら、のこぎりで適当なサイズにカットして施工しました。


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【倉庫側の側壁の板張り】
こちらも同様に杉板を貼ることで改修を行いました。
近所の板谷アキラさんが助っ人として手伝ってくださいました。

ハンマーで壁を叩き、柱の位置を特定しましたが、
化粧板の緩みや斜めに入った角材などが隠れていて、
特定に苦戦しました。
倉庫に抜ける大きな穴は杉板で隠します。
下の写真は、杉板を取り付ける柱を新たに取り付けた様子です。

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今日の段階では、倉庫側の側壁の板張りの途中まで完了しています。

まだまだ施工は続きます。
九大祭までに板張りは完了させようと考えています。
近況をその都度アップしようと思いますので、よろしくお願いします。
-=北崎シェアハウスのFacebook ページも開設しています=-
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May 30, 2014
北崎シェアハウスお披露目会、顔合わせ会【北崎/河津】

北崎のシェアハウスのお披露目会と地域の住民の方との懇親会を行いました。
唐泊の方の他、北崎を考える会の皆さんや、自治協議会の方々がいらっしゃってくださいました。
お披露目会では家の内部や1階のスペースの様子を見ていただきました。
自治協議会のブログ担当の岩崎さんらは、私達の生活空間を視察してくださいました。

円卓を譲ってくださった黨隆雄さんもいらしてくださいました。

また、これから改修し活用を考えている1F部分も見て頂きながら、
日が落ちる前に皆さんと家の前で写真を1枚。

たくさんの方に私達のシェアハウスを見ていただくことが出来ました。
家のお披露目会の後は、シェアハウスから徒歩1分のところにある漁村センターで懇親会を開催して頂きました。
この懇親会で、鍜治の書いた論文の発表、そして私達がシェアハウスをどう活用していきたいかのプレゼンテーションを行いました。


参加してくださった皆さんは、昔の唐泊の様子の写真を見て、懐かしそうにしておられました。
また、シェアハウスの活用についても、興味深く聞いていただけました。
その後、美味しい食事を頂きながら皆さんと歓談を楽しみました。
お酒を飲みながら、皆さんからの熱い激励を受けました。

これからこの北崎で暮らしながら、色々なことを体験し学んで行きます。
皆さんからの応援を受けながら、少しでも北崎の力になれるよう努力していこうと考えています。
この様な楽しい会を開いてくださった北崎の皆さん、本当にありがとうございました。
これからよろしくお願いします!

November 6, 2013
花鯛郷秋穫祭in北崎 九大ブース出展【北崎/裴】

北崎を考える会のみなさんと地域づくりの活動を開始しておよそ半年が経とうとしてます。
今年北崎のビッグイベントの一つ、11月4日に行われた「花鯛郷秋穫祭in北崎」には、九大もブース出展させていただきました!
「花鯛郷秋穫祭in北崎」は、北崎が誇る一次産業の農業、漁業を生かし、周辺都市圏の住民に北崎の魅力を地域ぐるみで発信するために行われたイベントで、その名の通り、花を始めとする農産物、鯛を始めとする水産物を地域の方が朝から元気よく販売されていました。
物販ブースが並び、美しい・美味しい北崎がダイレクトにアピールされていく中、
私たち九大景観研は、主にパンフレットとパネルを使った展示ブースを出展しました!

なんと急遽会場の入り口にブースを置かせてもらえることになり、
お客さんをお出迎えするブースとなりました!
パネルはパンフレットの内容を、地図を除き拡大印刷したもので、
イベントにいらっしゃった行政の方や、地域の方、周辺都市圏にお住まいの方に
現在九大景観研が北崎を考える会のみなさんと地域づくりの取り組みをしていること、
北崎の一次産業に限らない幅広い魅力を知っていただきたいために作成しました。

ブースの中でパンフレットを渡すだけではなく、
外に出てお客さん、運営者、出店者にアプローチしていきます。
パンフレットの内容を説明し、やっていることに共感してもらえたことがすごく嬉しかったです!
(お気づきかもしれませんが、この日景観研メンバーは全員ヘルメットで出動。
たまに「なんでヘルメットなんですか?」と聞かれますが、あくまでも目立つ為です(笑)。)

そして本日景観研もう一つの秘密兵器・松ぼっくりゴジラ!
唐津から出勤して頂きました。
インパクトがもの凄くあるだけではなく、
今後北崎でもこういった地域に喜ばれるものを作って行きたいという思いを込めて、
展示させて頂きました。
ゴジラの搬入を手伝っていただいたお祭り運営局のみんさん、
本当にありがとうございました!

ゴジラは会場の入り口に置かせてもらい、子供達からの人気はやはり絶大。
絶好の写真撮影スポットの一つとなってました。

一方、ステージ会場では北崎を考える会のみなさんからの挨拶、福岡市の行政の方々からの祝辞が盛大に行われていました。

会場内も大繁盛で、北崎名物鯛めしや牡蠣めしの店舗の前には、長蛇の列ができていたことさえもありました。今回イベントに来て頂いた方達が今後も持続的に北崎まで足を運んでもらえたらいいですね!

北崎の花!今回のパンフレットにはあまり情報を載せれなかったですが、
これから作っていくパンフレット第二号、第三号に載せるホットトピックの一つになりそうです!


地域の方も全力でイベントを良い物にしようと盛り上げてくれています。

300部作ったパンフレットですが、あっと言う間に配布し終わり、
そこからはパネルを使った紹介をしていきました。
北崎を考える会以外の地域の方とも仲良くなれたり、
行政の方に私たちの取り組みを知って応援してもらえたり、
当初設定していた目標を達成できたと思います!

そしてイベント終了後、お祭り運営局のみなさんとの懇親会。
5月から地域が一体となり、今日のお祭りを作り上げた北崎のみなさんの結束力に感動しつつ、
私たち九大景観研がこんなに素敵な場所で、素敵な人たちと地域づくりの取り組みができることをとても幸せだと感じました。
これからは北崎地区の情報発信を精力的に続けて行くだけではなく、
地域の方達の中にもっと深く潜り込んで、
北崎に新しい風を吹かせて行きたいと思います!

October 18, 2013
大漁@西浦!~西浦漁港現地調査~【北崎/裴】


9月に行われた第2回北崎まち歩きで、
西浦(にしのうら)港ひもの通りにある「大洋丸のお魚」というお店からいただいた
漁船の古い旗を研究室の鍛冶くんがのれんに作り替えてくれました!
のれんとしての風情だけではなく、
九大景観研が北崎の地域づくりに取り組んでいる事を
うまくアピールしている研究室の新しいアイデンティティーとなりました!
さて、2回の北崎まち歩きを通してすっかり北崎ファンになった研究室のメンバーは現在、
11月4日西浦漁港で行われる
「花鯛郷(はなたいこく)秋穫祭 in北崎」にて、
北崎の魅力を発信するパンフレットを作成しています!
より地域に密着した濃い内容のパンフレットにするべく、
本日、西浦漁港へ取材に行ってきました!
どのような取材をして来たのかは、
11月4日にお祭りで配布するパンフレットの完成版を見ていただきたいのですが…
ブログでは今日の取材の様子を一部公開しちゃいましょう^^

大型漁船が漁から帰ってくる時間についての情報を独自ルートで入手し、
研究室から慌てて自転車で西浦漁港に向かいました。
強い向かい風でヒーヒー言いながら必死にペダルを漕ぎましたが、
なんとか間に合いました!
九大から自転車で行ける距離でよかったです。

本日案内をしていただいた西浦浜町内会の木藤さん(写真左)!
木藤さんも一本釣りをする漁師さんです。
さぁ、気になる本日の水揚げは…

こ、これは…
大漁ですね!

イカ等も獲れていて、種類も豊富!
他にも、さわら、やりいか、かわはぎ等も獲れるとのことです。
しかしこれが船一艘で獲れた量とは…
(正確には、船二艘で網を引いて漁をする「ニそうごちあみ」という漁法です)

「花鯛郷」とも言われる北崎。
やはり速い潮に揉まれ、身が引き締まった鯛が最高に美味しいらしいです。
鮮度管理もきっちりしており、漁師のみなさんが綺麗に箱詰めをします。

漁師の宗さん!
なんと79歳の今でも現役バリバリです。
中学卒業してから漁業をやっておられるので、
漁歴65年の大ベテランです!
今月は台風やら強風やらでまだ4回しか漁にでていないということでしたが、
今日の大漁振りを見てご満悦の様子です。

帰り道通過した北崎もう一つの漁港、唐泊(からとまり)。
今日は福岡の漁業を支える屈強な海の男たちに出会い、
漁の素晴らしさを体感しました。
日本人は現在「魚離れ」が進んでいると聞きますが、
北崎のように新鮮でおいしいお魚を獲ってくれるところがもっと増えたら、
「魚離れ」も解消していくのではないでしょうか。
他にも西浦保育園の素敵な園長先生にお会いしましたが、
また今度の機会にご紹介しましょう。
「花鯛郷秋穫祭り in北崎」は11月4日(月祝)、西浦漁港で開催されます。
おいしいおいしい「鯛めし」を食べてみたい方は是非足を運んでみてください!

September 25, 2013
第2回北崎まち歩き【北崎/鍜治】

9月9日、第二回北崎校区のまち歩きが行われました。
7月26日の第一回まち歩きで行かなかった残り半分の北崎地区西側を案内して頂きました。
参加者は北崎の方が11名、九大は樋口先生、裴、鍜治の3名です。
まずは宮浦地区の三所神社、徳門寺に行きました。
<三所神社>

<臨済宗徳門寺>



徳門寺は内装がきれいで比較的最近建てられたように見えます。
これは平成17年の西方沖地震で一部崩壊して、一昨年に新たに竣工されたからだそうです。
北崎地区には多数のお寺、神社があり、それぞれに歴史、謂れがあります。
この歴史、謂れを明らかにすると、地元の方々の暮らしぶりが見えてくるかもしれません。
大変興味深いものです。
午前の最後は灘山に登りました。
標高209mと柑子岳と比べれば、低い山ですが、
展望所までの道はなかなかの勾配で、距離も長く、柑子岳よりもハードだと感じました。
しかしながら、展望所から見える景色はこれまでの苦労を忘れてしまうくらいすばらしいものでした。
出口と入り口が離れていたり、道が雑木で荒れていたり、改善する点はありますが、
少し手を加えるだけで立派なウォーキングルートになると思います。

午後は西浦地区を回りました。
西浦地区は糸島半島の北側で宮浦地区のちょうど山を挟んだ裏手側に位置しています。
こちらは西浦水産加工場です。

かつてはカタクチイワシの加工場として使われていた工場ですが、
今は全く使われておらず、屋内には多数のトロ箱、ネット、水槽だけが残っています。
「これだけの敷地を持つ倉庫を何かに活用できないだろうか」と地元の方々も悩んでいるようです。
この加工場の活用方法は今後のプロジェクトを進める上での1つの大きな要素になると思います。
ここは西浦ひもの通りです。
ひもの専門店が数店立ち並んでいます。
全体的に古びた町並みですが、これがまた漁師町らしく、風情があるように感じました。

最後に西浦燈台を案内して頂きました。
燈台までの道は幅も狭く、でこぼこ道で車は途中までしか行けません。
車を降りてから10分ほど歩いて、燈台にたどり着きました。
燈台からの素晴らしい景色を想像して期待していましたが、
周囲の雑木により全く景色が見えませんでした。
ここも灘山と同じで雑木を処理するだけで、この燈台ルートも魅力溢れるものになると思います。

これで北崎のまち歩きは終了です。
この後、公民館に戻って、前回と同様に振り返りを行いました。

振り返りの中で議題に上がったのが「西浦水産加工場の活用方法」でした。
イベント会場、配送センター、海の駅などいくつか案は上がりましたが、その日のうちにはまとまりませんでした。
まだプロジェクトとしてもはじまったばかりです。
2回の町歩きを通して、北崎には地元の人の生活が見える田園風景、漁村風景、景色のすばらしい山、歴史要素など
たくさんの魅力があることがわかりました。
まずは地元の皆さんと信頼関係を築いて、取り組み体制をしっかりと整えて、
大学ならではの協力をしながらステップを一段ずつ踏んでいければと思います。
案内して頂いたみなさん、ありがとうございました。

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