風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
一般社団法人LSDは、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな日常をお伝えしていきます。
January 8, 2013

三和ユニバーサルデザイン歩道の話し合い【三和/行徳】

前回の現地歩行調査結果から、三和ユニバーサルデザイン歩道の改善案について話し合いを行いました。
参加者は、栄上為石線デザイン検討委員会に参加していた全盲の方、弱視の方、車いす利用者、研究室OBの野口さん(三和のプロジェクトに関わっていて、現在は長崎県振興局)、研究室から樋口、高尾、行徳の7名です。
地すべりや用地買収の遅れにより工事が遅れ、検討委員会終了から5年経過した去年の11月に歩行調査を行っています。5年も時間があいてしまったことで、九大も障害者の方も設計の経緯について覚えていない点がありました。先ず、三和UD歩道の設計プロセスについて詳細に振り返り、互いの立場について考慮しながら改めて現地歩行調査の結果について振り返りました。

話し合いの中では、三和式歩道は視覚障害者が認識できて、車いす利用者にも配慮しているという意見を頂きました。全盲の方から「歩行中に左右にそれても、真ん中を認識して自然と戻ってこれたら良い。」との意見を頂き、左右の舗装材の粗度差をより大きくするために改善案の検討を行いました。検討にあたっては、以下の2点に配慮しています。
1.車いす利用者の走行に支障をきたさない
2.コストが安く、維持補修が容易
改善案①インターロッキングの粗度を大きくする。
滑らかなコンクリートとの粗度差を大きくするために、表面の粗いインターロッキングを検討する。
何種類か粗度の違うインターロッキングを用意して、車いすの走行に問題がなく、全盲の方が足裏で認識できる粗度のインターロッキングを検討する。インターロッキングを製造している会社に協力していただき、試験を行う必要がある。
改善案②コンクリート+アスファルト案
全盲の方は、コンクリートとアスファルトの粗度の違いを認識でき、弱視の方は、コンクリートの白色とアスファルトの黒色による輝度比を認識でき、車いす利用者も普段から走行しているアスファルト上は問題ないと考えられる。試験の必要がある。
今後は、これらの改善案をもとに試験を行い、三和UD歩道の設計改良を行い、実用・普及を目指していきます。話し合いに参加してくださった障害者の皆さま、長崎振興局より駆けつけて頂いたOBの野口さん、ご協力いただきありがとうございました。改善に向けてもう少しの間、ご協力お願いいたします。

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