風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
June 23, 2010
奥浦地区町内説明会・第2回堂崎ワーキング【五島/梅田】

6月15日,奥浦まちづくり協議会設置の説明のため,戸岐で行われた町内説明会に参加しました.
多くの方が集まっており,戸岐の現状を踏まえた意見,アドバイスがいただけました.

16日には第2回堂崎ワーキングが行われました.
堂崎ワーキングは,世界遺産の暫定リストにのった堂崎教会がある堂崎地区の住民と協議を行なう場です。
現在は、教会駐車場の修景デザインを住民の方々と考えています.
設計者は(株)文化財保存計画協会と(有)イーエーユーです。
第1回堂崎ワーキングでは,住民の方々から駐車場の現状などの情報をいただいており,
それを踏まえ,今回は事例とデザイン案を提示し,住民の方々から意見をいただきました.

また,堂崎ワーキングに向かう前に,外海から五島に移住してきたキリシタンが上陸したと言われる
六方(むかた)の海岸に寄り,みなさん思い思いの行動をとっていました.
自然と歴史がその場所から伝わってくるように感じました.

May 21, 2010
奥浦地区町内説明会【五島/梅田】

奥浦まちづくり協議会設置のために,5月17日に宮原,戸岐向.
18日には,平蔵の町内説明会が開かれました.
説明会では,
世界遺産についてや奥浦まちづくり協議会の説明が行われました.
その後,説明の内容や地域の課題をざっくばらんに意見交換しました.
宮原地区の様子

戸岐向地区の様子

平蔵地区の様子

どの地区でも,漂着ゴミや不法投棄等の生活環境に関する問題など,貴重なご意見を多くいただきました.
今後は,町内説明会を継続し,あわせて関係者ヒアリング、現地調査を実施し、秋頃を目途に奥浦まちづくり協議会を設置します.
また,当初18日に帰福するはずだったのですが,
天候不順のため飛行機が飛ばず,19日の1便で帰ることとなりました.
19日の福江空港はいつも以上に人が多く,混雑しておりました.

March 31, 2010
第6回久賀島まちづくり協議会,第3回江上検討会【五島/梅田】

3月29日に開かれた第6回久賀島まちづくり協議会と
3月30日に開かれた第3回江上検討会に関して報告します.
29日,第6回久賀島まちづくり協議会が開かれました.
議題は,
1)久賀島まちづくり社会実験の報告
社会実験では久賀島を訪れた方々を対象としたアンケート調査を行い,その結果を報告しました.
竹森さんが手馴れた様子で発表を行い,参加者の方々にとてもわかりやすく伝わっていたのではないかと思います.
2)来年度以降について
今後は必要に応じて随時,協議を行っていきます.

また,この日はお世話になった五島市役所の中村さんの送別会を行いました.
この送別会を行うこと自体サプライズでした.
さらに各々が書いたメッセージをプレゼントとしてお渡ししました.
それぞれの思いが表れ,とてもいい会になりました.
中村さん,本当に有り難う御座いました.

30日,第3回江上検討会が開かれました.
議題は,
江上教会周辺地区 保存管理・活用推進計画についてです.
江上教会や周辺の保存管理・活用の課題と方針.今後行う取り組み施策の具体的内容について話し合いました.

久賀島まちづくり協議会,江上検討会
どちらの島民の方々からも意見,アドバイスをいただきました.
地域に対する様々な考えはとても勉強になり,今後に活かしたいと思います.

February 11, 2010
事例調査・石見銀山【五島/高尾】


五島プロジェクトでは、市の方々と一緒にたくさんの事例調査を行いました。
今年度調査を行った地域を挙げると、
・民泊の先進地である小値賀町
・我国で初めて集落が世界文化遺産となった白川村荻町
・我国で初めて景観計画を策定し、重要文化的景観に選定された近江八幡市
・同時に世界文化遺産を目指している長崎市、旧外海町、平戸市
これらに加え、今年度最後の事例調査として、2月9~11日に
我国で初めて「文化的景観」というテーマで世界文化遺産となった石見銀山を視察しました。
石見銀山以前に日本で世界文化遺産に登録されたものを挙げれば、
姫路城、厳島神社、原爆ドーム、京都、日光東照宮、熊野古道などなどであり、
登録され、より高い価値付けを受けることによって、それらが守られ、
後世により確実に残されていくということが主眼であったと考えられます。
結果的には、日本人なら誰もが知ってるメガ観光地が選ばれてきました。
そうした経緯からすれば、石見銀山は世界遺産による地域活性化を目標としてはっきりと示した
わが国で初めての事例であり、その良し悪しの議論も含めて、五島市にとってとても参考になる事例であったと思います。
印象に残ったポイントが2つありました。
一つは、市の担当者の方が
施策の不十分な点がわかれば、なるべく早く柔軟に修正する姿勢を持たなければならない。
しかし、これは行政が最も不得意とすることでもある。
石見銀山でも現場での問題点が見えてから施策を修正するのに随分長い時間を必要としました。

とおっしゃっていたことです。
世界遺産に関わる取組みは、通常の業務とは異なり、
何が起こるかわからない中で試行錯誤しながら、様々な人との合意形成を図っていくことが求められ、
もっと言えば特別なミッションを与えられた総合的な「プロジェクトチーム」を組織の中につくらないと
なかなか対応できないものであると言えます。
登録はゴールであるとともにスタートとなるため、腰を据えた、長い時間をかけた取組みとならざるを得ないでしょう。
もう一つは、石見銀山の世界遺産としての価値の伝え方についてです。
「文化的景観」の価値は、その景観を成立させている構造を理解しなければわからない。
でも、それは短い時間では難しいし、一般の観光客にはほとんど無理なお願いです。
これは五島にも共通する検討課題です。
石見銀山では充実した内容の世界遺産センターやDVDを作成し、ガイドの仕組みもあり、
集落から銀山までを歩かせることによって全体の構造を体験として理解させようとしている。
それでもやはりわかりにくいものはわかりにくい。ではどうするか?現場をみながら考察しました。
私の考えたポイントは、まず、中心(主役)を決めること。石見銀山ならやはり坑道と精錬所跡。
ここから遡っていくように全体の構造を説明する。つまり、ストーリーの起点を与え、結論を先に言うこと。
それからもう一点は、観光客に対して求めるレベルをわけること。
つまり、客が自分のレベルに合わせて情報へアクセスできるように、
観光客受け入れシステムの全体像をわかりやすくすること。
例えば、世界遺産センターとDVDとガイドの内容がどういう関係になっているのか、
どれが平易でどれがマニアックなのかがわかるようになっていること。
五島の場合は、これを他の市町と連携しながら、かつ市内の他の魅力も含めた総合的な内容として、
さらに言えば、出来る限り一本化されたシステムとして実現することが望ましい。
このシステムをどういった構造とするか、今後の重要な検討課題と思います。

February 4, 2010
第5回久賀島まちづくり協議会【五島/高尾】

2月4日、第5回久賀島まちづくり協議会が開かれました。
この日の議題は、
1)「久賀島景観まちづくり計画(案)」について
これまで半年に渡って議論してきた久賀島のまちづくりの方向性について取りまとめたものです。
2)「久賀島観光ガイドブック」について
久賀島には観光パンフやマップがないため、観光客にきちんと情報が伝わっていませんでした。
教会だけでなく、島の様々な魅力を伝えるものとして作成しました。
3)「久賀島の景観のルール(案)」について
久賀島の景観を守っていくためのルール案について提案しました。
4)「久賀島まちづくり社会実験」の報告
2月13~28日に行われる久賀島まちづくり社会実験の内容について報告しました。
です。この日に向けて五島チームは、一生懸命検討を行い、準備をしてきました。

「久賀島景観まちづくり計画(案)」の説明は、その策定を中心的に行った渡邉さんが担当。
この一月、朝から夜遅くまでひたすら考え続け、つくり続けた資料を思いを込めて説明してくれました。
落ち着いて、きちんと話ができて、とてもよいプレゼンであったと思います。

「久賀島観光ガイドブック」の説明は、デザインをしてくれた宮崎君が担当。
とてもきれいなパワーポイントで、デザインのポイントをわかりやすく伝えてくれました。

宮崎君の説明の後、景観のルールを高尾が、社会実験を竹森君が説明しました。
参加した島民の方々には、積極的なご意見や貴重なアドバイスをいただきました。
今後は、2月後半に社会実験を行い、3月下旬に「第6回久賀島まちづくり協議会」を開催して実験結果の報告をし、
今年度の活動を終える予定です。

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