風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
January 29, 2014
第一回大島竹伐採活動【唐津/河津】

河津です。明けましておめでとうございます!
唐津みなと里山の会では、これから30年かけて里山づくりをしていこうという事で話し合いを行ってきました。今年度は一年目として、大島市民の森の登山道横の竹林から始めていき、登山道からの景色が見えるようになれば良いねという事で活動が始まりました。
その第一歩として、昨年10月には静岡から山本剛さんをお呼びして、竹の伐採や処理方法の話を聞きました。(その時のブログはこちら→http://project237.exblog.jp/19791582/
そして、1月25日、26日に唐津みなと里山の会と唐津市民の方で、第一回大島竹伐採活動を行いました。
伐採箇所は、大島市民の森・登山道の竹林です。

【25日(土)】
25日は、予行演習として、大島の住民の方、唐津市役所みなと振興課、九大で竹を切りました。
この日は伐採箇所の確認と26日の炭焼き場所の確保です。
竹を切り、玉切りをしてから燃やす場所の近くまで運びます。
大島の竹林さんや辻さんがチェーンソーでどんどん伐採していきます。
そのほかのメンバーはノコで玉切りです。


この日は9時から作業を開始しましたが、途中天候が悪くなったので、11時過ぎに終了しました。
【26日(日)】
26日は大島の住民の方だけでなく、里山の会メンバーの方のお声掛けで唐津市内から参加してくれる方もいらっしゃいました。
この日は10時から15時までの活動でした。
当日は良いお天気になり、怪我もなく、皆さんと楽しく活動できました。
今回が初めての竹伐採活動でしたが、メンバーの方達のお声掛けにより、森での活動に詳しい方にも参加していただけて、たくさんの事を教わりながら作業することができました。

伐採班、運びだし班、燃やす班で作業しました。

安岡さんは火の準備に。
前日に確保したスペースに竹を組んでいきます。

伐採した竹は竹林のすぐ横で燃やしました。
ポンッと大きな音を立てて燃えていきます。

笹を入れると火が大きくなり、笹の燃えかすが宙を舞います。
お昼休み、皆さんお昼を持参していましたが、安岡さんの奥さんがみんなに弁当を作ってくれました。
陽の当たる登山道にシートを引き、作業していた場所を眺めながらお昼を頂きました。


美味しいごはんを頂いた後は、午後の作業を開始です。
この時点で、伐採した竹がどんどん積まれていて、薄暗かった竹林内には日差しが入ってきました。

午後からは炭焼きメインで活動しました。
炭焼き中に、サツマイモを一緒に焼きました。
作業の休憩がてら、みんなで食べましたが、とても上手く焼けていて、疲れが取れました!

そして消火作業です。
動噴を準備していましたが

機器の不調により、急遽バケツリレーに変更。

無事に消火できました。

今回は竹を燃やすスピードよりも竹の伐採スピードが早かったため、伐採した竹の3分の1しか燃やしきれませんでした。残った竹は次回燃やしましょう。
今回伐採した範囲は畑1枚と少し(およそ470㎡)でした。

作業前と作業後の様子です。
【作業前】

【作業後】

作業後の竹林内に日差しが入ってきているのが分かります。
そして登山道からは

うっすらとですが、西唐津の様子が見えるようになりました!
目に見える成果が出て、作業後の達成感が快感でした。
今後の活動でもっと景色が見えてくるのかなとわくわくしています。
次回の竹伐採活動は2月下旬~3月に行う予定となっています。
詳細が決まり次第、またこちらでご案内させていただきます。
皆さん、お疲れ様でした!

唐津市みなと振興課より数枚写真を提供していただきました。ありがとうございました!

October 9, 2013
山本剛さんからのお話と大島竹林見学 【大島/河津】

静岡県南伊豆で竹林を利活用しておられる山本剛さんに講師として大島に来ていただき、実際に竹を竹林の中で燃やす方法を教えていただくことになっていましたが、台風により中止となりました。しかし、大島の竹林の状況は見ておきたいという事をおっしゃられていたので、当日、大島公民館で話を聞かせてもらい、実際に竹林を見ていただけることになりました。

まず、山本さんは「竹林は宝物だ」とおっしゃいました。
中国から輸入される安いタケノコが市場に出回り、またプラスチック製品の普及によって竹の利用が少なくなり、日本中の竹林に人の手が入らず放棄されていきました。しかし、体験学習をする場所には最適で、資源としても有効利用できる、これほどの宝を無駄にしてはいけないとおっしゃいました。山本さんは、ガールスカウトの人や子供達と一緒に炭作りや竹細工なども行っているようです。
山本さんは、たくさんの地域で竹林内の炭焼きの話をしていて、どの地域へ行っても火事の心配は無いかと質問を受けるそうです。私たちも質問したのですが、広島で山火事が起こった際に竹林に囲まれていた場所は燃え広がらなかったという事例と共に、竹林内は特殊な環境だから炭を焼いても安全だという事を説明してくださいました。
炭焼きの時期は年中いつでも良いようです。炭焼き中に火は高く上がるけれども竹の葉に燃え移ることはなく、また竹がしなるほどの風が吹く日でも炭焼きをやっているとのことです。実際に現場でやってみると安全かどうか体験できる、だから一度やってみるといいと説明されました。
山本さんは、竹林内で竹を燃やしてできた炭を畑に撒き、たくさんの種類の野菜を育てているようです。竹林内で焼いた炭にはたくさんの穴が空いていて、その穴に微生物が住んでくれるから土壌が良くなるという事です。
雨が強くなってきましたが、実際に大島市民の森、あづまや付近の竹林も見ていただきました。


この竹林も炭焼きの空間づくりをしやすい場所だという事でした。また、作業効率を良くするために、5m幅で帯状間伐をしていけばよいのではないかとのアドバイスもいただけました。
山本さんは、竹はアメリカ・フランス・ロシアなどにはないものだから、竹に興味を持ってくれる人が多いそうで、竹林を国際交流の場として使う事や、そういった国にタケノコを輸出していけばまた竹林に人手が入っていくのではないかと考えておられるようです。九大は留学生も多いので、竹を使った国際交流ができればよいなと思います。

今回、実際に炭焼きの活動することはできませんでしたが、これから唐津みなと里山の会で行おうと考えている里山づくりに生かすことができる話がたくさんありました。これまで竹を邪魔者として扱うことが多かったですが、山本さんが行っているように竹林を楽しく利活用する事も大切だと知ることができました。
山本さん、貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました!

October 7, 2013
10月8日 台風接近のため竹の研修会は中止となりました。【大島/河津】

 唐津みなと里山の会では、大島でこれから無理なく楽しく竹林を整備していき、イベントや交流活動を行うことのできるスペースを作ることや、また西唐津を一望できる登山道の眺望の確保を行っていこうと話し合いをしてきました。
 そこで、竹の伐採・処理方法を教えていただこうと、静岡県南伊豆で竹林の整備と竹の利活用を行っている山本剛さんに来ていただき、竹林内でそのまま竹を燃やして炭にする方法を教わることになっていました。
 しかし、当日台風が唐津に接近するとの予報が出て、竹の伐採や火を使う活動をするのは危ないと判断しました。楽しみにしてくださっていた方もいらっしゃるかと思いますが、安全を優先しようという事で竹の研修会の開催は中止させていただくことになりました。
 大島の方、市役所の方、山本さん、たくさんの方と道具の準備やスケジュールの調整、参加者の呼びかけをしてきました。今回の中止がとても残念ですが、台風の中、けが等が起こる事のほうが大変です。
 またこういう機会を設けて、次こそ竹の研修会を成功させることができたらよいなと考えています。

June 26, 2013
第4回唐津みなと里山の会【大島/行徳】

まず、第1回〜第3回までの取り組みについて簡単に振り返ってみようと思います。
第1回の部会では大島市民の森公園を再整備していくために現地調査を行いました。
東側展望台には唐津を一望できる美しい風景があること、公園を維持管理するための予算がつかなくなり問題が起きていることが分かりました。
そして、大島市民の森公園の再整備には以下の3点が必要であることが分かりました。
①眺望の確保(木、竹の伐採)
②車が頂上へ登るためのアクセス道路の整備
③トイレのためのポンプ修理
①について、頂上にはかつて360度風景を見渡すことができる展望台がありましたが、今はその展望台からは木しか見えません。成長がとても早い竹は、アクセス道路の眺望を妨げています。
②について、軽自動車が通れる既存の道路を活用すればコストを抑えて車が登れる道を整備することが可能です。
町内を通って市民の森の看板がある場所までは、緊急車両が通ることが難しいため車道を整備する必要があります。市民の森入り口から東側展望台までは、今後の活動をきっかけとして大島内外の公園利用者が増えれば整備できるはずです。
③についても同様に大島内外の公園利用者が増えれば修理できるはずです。
これまでの話し合いの中で、竹を伐採する活動を自分たちで行なっていくことにしました。この竹やぶの中には、かつて大島の人たちが里山として大島山を耕していた段々畑の石炭が埋もれています。また、タケノコ堀りや竹炭づくりなど竹伐採とイベントを一緒に行うことで大島の人だけでなく、外の人とも協力しながら継続的に竹伐採をしていくことになりました。
第3回の部会中に、頂上の市民の森だけでなく大島をみなとの里山と捉えて、大島全体のグランドデザインをしていくために「大島展望ゾーン部会」から「唐津みなと里山の会」に名称を変更しました。
山とみなとがこれだけ近い場所は珍しく、山と海を一緒に考えながら大島山の魅力を高めて行きたいです。
先日、6月5日に第4回唐津みなと里山の会がありました。
まずは炭焼き小屋やタケノコ堀りのイベントを行なう上で利用できそうなスペースを見に行くために現地へ行きました。

現地見学場所はオレンジ色になっている部分で、下から【東屋付近の竹林】【頂上へのアクセス道路】【東側展望台】です。
【東屋付近の竹林】

現地見学場所はオレンジ色になっている部分で、下から【東屋付近の竹林】【頂上へのアクセス道路】【東側展望台】です。
【東屋付近の竹林】

竹林内には畑として利用されていたときの石積みや石ガメがあり、竹を伐採したあとにこの石積みを利用した良い雰囲気のイベント空間ができるのではないかという意見がでました。

【頂上へ向かうアクセス道路】

この道からは以前、大島町内から西港までの風景が見えていましたが、竹で全く見えない状況になっています。
東側展望台では高島から火力発電所までの眺望が確保されているので、この場所では火力発電所から大島町内、西港までの風景が見えればいいのではないかという意見がありました。
アクセス道路の脇に雑草がはえているので、竹伐採の活動を行う前に草を処理する必要があります。
【東側展望台】

やはり、ここからの眺めは良いです。この展望台までの演出を含めて、これから検討していく必要があります。
みんなで唐津を見渡しながら、安岡さんが子どもの頃の思い出話を聞きました。
昔大島の子どもは鳥島まで泳ぎで行き、島にある井戸水を飲むのが楽しみだったそうです。

東側展望台よりももう少し頂上へ登った場所から撮った写真ですが、前にある数本の木を切れば、大島山の森と唐津の海、砂浜が一体となって見える美しい風景を生まれると思います。
現地見学後は二タ子三丁目倉庫に戻り、九大や市役所が準備した資料や現地見学の感想をもとに話し合いが行われました。
話し合いの結果、東屋付近の竹林をタケノコ堀りや竹炭づくりを行える空間にして、外部の人にも協力してもらいながら竹伐採を行なっていこうということになりました。
また、助成金を申請して今後の活動資金として利用することにしました。
助成金を申請するための具体的な伐採計画については次回7月3日に行われる部会で話し会います。
今回の部会で実際に竹伐採を行うことが決まり、今後は具体的にどの部分を伐採していくのか話し合いが進んでいきます。
九大としては、竹伐採の計画をたてるうえで検討に必要になる資料の準備と今回の活動が今後どのように大島全体の話につながるのか考えながら準備を進めて行かなければなりません。
大島の人、里山の会の人、他の大島の協力者も含めて、楽しく活動の輪を広げながら大島が良い方向に向かっていけばと思います。

May 14, 2013
第三回唐の津展望ゾーン部会【唐津/鍜治】

本日、第三回唐の津展望ゾーン部会が二タ子三丁目倉庫で開催されました。
九大からは樋口先生、鍜治の2人が参加しました。
主な議題内容は、
(1) 竹対策先進事例調査の報告
(2) 竹の伐採駆除の今後の取り組み
(3) 緑の基金に関して
以上の3つでした。

(2)に関しては、今回の部会で出た意見には以下のようなものがありました。
・竹林の処理は長い年月がかかり、継続的に行えるものにしなければならない
・外からの協力者を増やすために竹の子狩りなどのおまけを行った方がいい
竹というのは竹の子掘りや竹炭といった良い面がある一方で、処理・維持管理が大変難しいというやっかいなものです。
この良い面を最大限に前に出して、いかにして難点を取り払うか、もしくは最小限に留めていくかを考える必要があります。

今回、九大は模型のみで1つの報告資料もない、失礼な状態で参加することになりましたが、
次回からはそのようなことがないよう先を見据えて、調査をしていかなければなりません。
初めて外の会議というものに参加しましたが、
参加された方々の大島をより魅力的なものにしていきたいという気持ちを感じ取る事ができました。
そして、その気持ちを後押しするように九大としても大学ならではの協力をしていく必要があると思いました。
唐津大島に関しては知らない事が多い状態なので、唐津大島の調査を続けていくことで知識を付け、
また唐津で行われる行事に積極的に参加して、唐津大島の人々と対等に近い立場になることができればと思います。
参加された皆様、貴重な意見をいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

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