風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
October 9, 2013

山本剛さんからのお話と大島竹林見学 【大島/河津】

静岡県南伊豆で竹林を利活用しておられる山本剛さんに講師として大島に来ていただき、実際に竹を竹林の中で燃やす方法を教えていただくことになっていましたが、台風により中止となりました。しかし、大島の竹林の状況は見ておきたいという事をおっしゃられていたので、当日、大島公民館で話を聞かせてもらい、実際に竹林を見ていただけることになりました。

まず、山本さんは「竹林は宝物だ」とおっしゃいました。
中国から輸入される安いタケノコが市場に出回り、またプラスチック製品の普及によって竹の利用が少なくなり、日本中の竹林に人の手が入らず放棄されていきました。しかし、体験学習をする場所には最適で、資源としても有効利用できる、これほどの宝を無駄にしてはいけないとおっしゃいました。山本さんは、ガールスカウトの人や子供達と一緒に炭作りや竹細工なども行っているようです。
山本さんは、たくさんの地域で竹林内の炭焼きの話をしていて、どの地域へ行っても火事の心配は無いかと質問を受けるそうです。私たちも質問したのですが、広島で山火事が起こった際に竹林に囲まれていた場所は燃え広がらなかったという事例と共に、竹林内は特殊な環境だから炭を焼いても安全だという事を説明してくださいました。
炭焼きの時期は年中いつでも良いようです。炭焼き中に火は高く上がるけれども竹の葉に燃え移ることはなく、また竹がしなるほどの風が吹く日でも炭焼きをやっているとのことです。実際に現場でやってみると安全かどうか体験できる、だから一度やってみるといいと説明されました。
山本さんは、竹林内で竹を燃やしてできた炭を畑に撒き、たくさんの種類の野菜を育てているようです。竹林内で焼いた炭にはたくさんの穴が空いていて、その穴に微生物が住んでくれるから土壌が良くなるという事です。
雨が強くなってきましたが、実際に大島市民の森、あづまや付近の竹林も見ていただきました。


この竹林も炭焼きの空間づくりをしやすい場所だという事でした。また、作業効率を良くするために、5m幅で帯状間伐をしていけばよいのではないかとのアドバイスもいただけました。
山本さんは、竹はアメリカ・フランス・ロシアなどにはないものだから、竹に興味を持ってくれる人が多いそうで、竹林を国際交流の場として使う事や、そういった国にタケノコを輸出していけばまた竹林に人手が入っていくのではないかと考えておられるようです。九大は留学生も多いので、竹を使った国際交流ができればよいなと思います。

今回、実際に炭焼きの活動することはできませんでしたが、これから唐津みなと里山の会で行おうと考えている里山づくりに生かすことができる話がたくさんありました。これまで竹を邪魔者として扱うことが多かったですが、山本さんが行っているように竹林を楽しく利活用する事も大切だと知ることができました。
山本さん、貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました!

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