風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
December 12, 2012

「景観工学」 講師:佐藤さん【研究室の日常/平野】


学部2、3年生向けの「景観工学」という樋口先生が担当の講義があります。
この日は研究室OBの佐藤さんが特別に講師として講義をしました。
佐藤さんは現在、唐津のまちづくり会社でタウンマネージャーとして働いています。
講義では佐藤さんが仕事先に唐津を選んだ理由、まちづくりへのアプローチ、そのアプローチに基づいて現在行っている取り組みに関する内容でした。スライドは写真が主体で、写真から唐津に住む人、イベントの様子が伝わってきました。
最初に説明があった「唐津くんち」は、唐津に住む人たちのつながりを作る大切な「文化」だということが伝わりました。若い人と年配の方がお酒を交わし、みんなで息を合わせて曳山を引いて回る。女の人は家で豪華な料理を作って人をもてなす、くんちによって唐津の地域性、人柄が成り立っているように感じました。
また、商店街の空き店舗に関する説明では、実際にまちづくりに携わっているからこそ聞けるような生々しい話でした。日本の人口減少の問題、空き店舗の家賃の問題が原因であるという説明はわかりやすくて納得しました。
唐津は魅力的な場所なのにも関わらず情報発信が苦手なため、周りにうまく伝わっていないという問題があります。そのため、人に読んでもらえるようなフリーペーパーを発行したり、イベントをしたりと工夫をしています。
いかに地域の魅力を住んでいる人たち、周りの人たちに伝えるかという「情報発信」がこれから地域にとってのキーワードです。
僕は外向きの情報発信ももちろん大事ですが、「内向きの情報発信」が重要だと思いました。そこに住んでいる人は当たり前すぎて地域の魅力がわからない、そもそも知らないということが多い気がします。自分たちの地域の資源、文化の魅力に気付けば、それだけそこに住む人たちはその場所で幸せな暮らしができると思います。
また、最後に樋口先生が学生に向けて言った言葉が印象的でした。
就活をして見つかるようなコンサル、ゼネコンは昔の時代の日本で成立したものが続いているだけ。佐藤さんが今やっているような仕事をやっている会社は見つからない、自分から道を切り開いていく人でないと絶対に今日紹介したようなことはできない、という言葉です。
大学2,3年生の大半はまだ将来先のことをあまり現実的に考えていない中で、今回のような佐藤さんの話は刺激的な内容だったと思います。
佐藤さん、お忙しい中、伊都キャンパスまで来て講義をして頂いてありがとうございました。

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