2月1日(金)
今日は遠賀川の現場を見に来ました.右岸担当の吉岡さん,左岸担当の伊東さんは頻繁に現場に出向いて細かい指示,現場から出た質問等の対応をしています.
まずは,右岸.沈下橋付近をどう工事していいかわからないと問い合わせがありました.どうやらこの部分は図面になっていなくて,空白の状態だったようです.上流側の階段工と下流側から延ばしてくる新設の階段工が沈下橋の真下でぶつかるのでそこをどう処理するか現場で確認しました.
カヌー乗り場付近の石積みはだいぶ積みあがり,少しずつ形が見えてきました.石は丁寧に積まれて,きれいに線がでています.写真に写っている部分は埋め戻すので,今の状態から半分くらい見えなくなってしまいます.
今日はこれまでの進捗状況と天端がどういう仕上がりになるか実際につくってもらったので確認をしました.天端は石と石の間に石を削り込むことで水きりをして芝が枯れないように工夫しています.
つぎに左岸.水際の芝生を張る位置を確認しました.芝を水際まで張っても出水期(雨が沢山降る時期)には流されてしまうので,そこを含めどこまで張るか決めていきます.
プロムナードの線形を確認しています.図面で書いた線を実際の土地に表現して,プロムナードと駐車場の位置関係を考慮しながら線形を数十センチ単位で調整していきます.
前回の市民部会から参加していただいている方が応援にかけてつけてくれ,一緒に作業をしています.(奥で小さくうつっている人)
最後に駐車場入り口の信号取り付け部の位置と仕上げについて確認しました.
出会いと発見DIARY
12月20日(木) 現場での打ち合わせ
今日は工事現場の打ち合わせに参加しました。
内容は現段階における問題点等の確認です。筒井ははじめての現場でした。
現場でならではの問題も多々あるようです。
図面で書いてあることも現場に持ち込んでみるとそのとおり表現できない箇所があり、そこをどう対応するか打ち合わせをしました。
左岸については
1.ちょっとした盛土をわざわざ施工するか
2.排水設備とプロムナードがけんかする箇所の処理をどうするか
3.排水設備とスロープ延長部がけんかする箇所の処理をどうするか
4.図面にあらわれていない工事範囲外の盛土のおわりかたについて
といったことです。
いままで木や雑草が生い茂っていたところにすんでいた猫たちがこの辺をうろついていました。
12月26日(水) 第15回市民部会
年末であわただしい時期ですが、第15回市民部会が開かれました。
そんななか9名の部会メンバーが参加されました。
今回の議題は今年度整備を行う、左岸の駐車場、右岸の確認です。
今回の議論も白熱し、予定時間の2時間を30分超過しました。
前回の第14回市民部会では右岸、左岸両方の説明を行いましたが、今まで話に出てこなかった左岸駐車場が突然現れたため、駐車場が議論の中心となりました。今回は前回の議論に参加されていなかったメンバーから右岸の舗装にたいする意見交換が行われました。
左岸
前回の議論で駐車台数が話題になりましたが、市と調整した結果、300台(緑化ブロック270台+縁石のみ30台)となった経緯の説明が行われました。
また、前回出席されていなかったメンバーから新たな情報が得られ、階段の細かい設計の変更を行った箇所もあります。
議論は縁石のみ30台の駐車スペースへと進み、その部分にいかにして車をとめさせないか話し合いが行われました。このあたりはもう少し市との協議が必要になりました。
右岸
沈下橋からカヌー乗り場へのアプローチの歩道が必要なのかどうかが話題になりました。バリアフリーを考慮し、また利用する人がどういった利用をするか考え尽くして得られた合理的な形ではあるのですが、左岸の現状をお手本と捉えているかたの中にはコンクリートなど硬いもので道を仕上げることに抵抗があるようです。
部会のメンバー一人一人がこの地に対して責任を負っていて、決して変なものはつくれない、つくらせないそんな感じがしました。
工事はいまさらとめられない。だけど、市民はいいものをつくりたいからなんとかならないかと考える。そんななか最善の妥協点を提示するアドバイザー。いいものに対する認識にはいろんな考え方があってそれはそれで面白いことだけど、それは必ずしもいい方向に行くとは限らない。そんなことを学んだ気がします。
関わる人すべてが納得するように年が明けてすぐ再び部会は開かれるようです。
12月10日(月) 工事連絡会@河川事務所
久しぶりに訪れた遠賀川にはあちこちにフェンスが立っていて、いよいよ工事が始まるんだなぁと感じさせてくれました。
少なからず遠賀川に関わって半年。ようやく愛着のようなものが湧いてきた今日この頃。
こうやって見てみるといい風景はあるかもしれないけど、愛着を持っていれば悪い風景なんてないんじゃないかと思ってしまいます。
愛着のある土地の姿を変える仕事とはどういうものなのか、これから学習させていただきます。
今日は右岸・左岸併せて行いました。
話し合われた内容を全部書くと大変なので大雑把に書きます。
工事連絡会は実は2回目。前回の打合せでは、右岸のみの話だけでした。
右岸
前回は石積み護岸の天場の石が用意できない可能性があるという話があり、今日は施工する業者さんが代替案を用意してきてくれました。代替案は九大案がうまく織り込まれ採用となりました。
沈下橋からのカヌー乗り場までの通路に用いる縁石はサンプルを持ってきていただくなど多大なご協力をいただきました。
↑説明をする吉岡さん。石積みの打ち合わせは長い時間をかけて行われました。
なお、右岸では沈下橋から水辺館までの通路(ウッド)の寸法に関して九大側とコンサルタント・河川事務所間でミスコミュニケーションがありその場で寸法を直してもらうことになりました。通常は単価の再計算等で面倒になるため話は通りませんが、この通路の重要性を説明し、沈下橋の杉材と奥行き幅を合わせたいというこちらの意向をご理解いただきました。
↑縁石(実物)。九大に新たな石のコレクションができました。
左岸
左岸は初の打ち合わせとなるので、コンセプトからの話になりましたが、以前左岸の土地の造成をしてくれた業者さんが入ってくれることとなり、説明に手間取らずスムーズに打ち合わせが進みました。ただ、スロープと県道の合流点に信号があり、それが車の通行の阻害になっているため移設の調整を別途、河川事務所が行うこととなりました。
↑説明をする伊東さん
↑このとき使った1/20の模型。右岸の緩傾斜坂路で用いた階段と同じ方法で、勾配の異なる斜面を階段でつなげます。(階段の端が左右で異なるところをみるとわかりやすいでしょうか)
今日は夕方6時から11時近くまで議論は続き、様々な確認が行われました。
おわって外に出ると雨が降っていました。
次の日は論文ゼミ。なんかいろんなことを考えてしまいました。
12月6日(木) 河川事務所との打ち合わせ@学生部屋
今日は久しぶりの打ち合わせです。
前回の駐車場打合せ以降コンサルタントさんに図面を作成していただきました。
右岸の材料調達、左岸駐車場の舗装材料の進捗状況の報告が行われました。
設計が細部にわたってきたので打ち合わせの内容も少しずつの議論ですが、一回一回が大切になってきます。
右岸
右岸は河川が湾曲する外側のため最近は日田石の需要が高まっておりなかなか材料の調達に苦心されているようです。コンクリート護岸が減り、石積み護岸が増えるという時代の流れとしてはいいことなのかもしれませんが、工事的には悩ましいです。石積み護岸の天端に座れるようにするというこちらが意図する設計を実現するには切り出す石の寸法、積み方の順番に工夫が必要になりそうです。
左岸
駐車場舗装についての報告が行われました。
以前の打ち合わせで通路は脱色アスファルト、駐車マスは緑化ブロックとすることが確認されました。(九大サイドとしていまだ納得していませんが…)それを受けて使用が予定されている緑化ブロックの報告があり、今回提案されたのはかみ合わせがいいように波型の形状になっていて、植生できるように穴のあいたコンクリートブロックでした…。
もっとも河川に近い側の駐車列はウッドではなく、芝で枠線のみをコンクリート製の縁石で仕上げることになりそうです。ウッドよりも緑は確実に多くなりますが、雨天後に駐車場として利用されると間違いなく芝はタイヤとの摩擦ではがれてしまうでしょう。
最後に車が進入するスロープについて議論しました。
・県道の黒色アスファルトと路面に使用する脱色アスファルトとがぶつかる部分の横断歩道を考慮した処理
・新設する階段への細かい指示
・階段と駐車マスの間の通路と階段との幅の関係
・新設するスロープと既存護岸とのすりつき方
これらの詳細は絵にしてコンサルタントさんに図面化を依頼することになります。
最近は論文があるのでプロジェクトから離れていますが、駐車場だけは気がかりです。
このブログでどれだけプロセスを記述しようとも利用する方には結果のみで評価されます。
完成した来年どう評価されるのでしょうか。
ここは河川敷。将来駐車場としてではなく河川敷として愛着を感じていただければ少なくとも管理者、設計者の思いは報われるでしょう。
11月16日(金) 河川事務所・コンサルタントとの打合せ
↓図面を模型にしました。車がズラリ(通称:うなぎの寝床)
15日に作成した図面が実現可能か河川事務所での協議結果の報告を受けました。
設計はほとんど図面どおりに行うことが決まり、追加で駐車場入り口に小さな管理棟を新設することが決まりました。
あと乗り越えるべき大きな課題はウッドの駐車場と駐車場入り口の木が実現可能かというところ(木を植えるスペースは確保してもらえるとのこと)。
特にウッドの駐車場は現在の図面ではもっとも水辺に近い列に配置する予定なのでこれが実現できるかどうかは駐車場の風景を大きく変えることになります。(この列が緑化ブロックになってしまうと既存の駐車場と芝の面積があまり変わらなくなってしまう。)
大きな山場です。
↓ウッドの説得が続きます
その他、議論した内容は新設するスロープと既存の護岸との擦り付け方、プロムナードと駐車場通路が近接している部分が出ているためその部分をどう処理するかといったことです。
現段階の構造では駐車場からプロムナードに車が進入できるようになっているので利用者マナーが問われるところですが、そういった行動を未然に防ぐためにプロムナードと通路はきちんとすみ分けなければなりません。この二つの関係は利用する方に大きな影響を与えるので重要になってきます。
場所によってはプロムナードの位置はこれ以上水辺に近づけることができないという制約条件が発生するなど、限られたスペースの中でうまく線形を考え、駐車マスを配置していきます。
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