風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
March 17, 2020
ダンダンボックスウォール#1完成

今日、九州大学キャンパスバリアフリー検討研究会が進めてきた「バリアフリーアートプロジェクト」の第一弾がかたちになりました。

九大伊都キャンパス中央図書館前の通路壁面に設置された二枚の絵は、どちらも障がいを持ちながら絵の才能がある方たちが描かれたものを大きく引き伸ばしたもの。

僕も作業を覗きにいきましたが、ただならぬ存在感に圧倒されました。

このアートがキャンパスにどんな新しい風を吹き込むか? 人々がこのアートから何を感じとるか?

「だんだんアート」=「バリアフリー社会実現に向けたカタリスト」なのです。

このプロジェクトの実現には、研究会メンバーで「だんだんボックス」ディレクターでもある鵜飼先生と研究会事務局の羽野先生が大活躍されています。

アート作品データは、アーティストのご了解を得たうえで一般社団法人だんだんボックスからご提供いただきました。展示に必要な資金はすべて企業から頂いた寄付です。第二弾、第三弾に乞うご期待。

 

一般社団法人だんだんボックス
http://www.dandanbox.com/about/

九州大学キャンパスバリアフリー検討研究会
https://barrierfreelab.amebaownd.com/pages/2331640/blog

March 12, 2020
直方の車寄せ その後

直方駅前で進んでいた旧駅舎車寄せの復元工事がほぼ終わりました。あとは周囲の広場の完成を待つばかり。

あのダンボール製実物大模型以上に大きいです!

色が気になる方のために少し説明します。保管されていた車寄せの部材(部品)をアルセッド建築研究所佐賀事務所所長の清水さん、長崎総合大学の山田先生、市役所で確認したところ、復元の目標とした完成間もない時代の駅舎には濃緑色の塗料が塗られていたことがわかりました。写真の色はそれを忠実に再現しています。

仕上げの仕事として、文化庁から文化財の指定をしていただくことが残っています。気を抜かずにやり遂げないといけません。直方市の皆さんガンバ!

この車寄せの復元は最初の一歩です。これをきっかけに、中心市街地に多数残る町家をはじめとする歴史的建造物群の保存・利活用の動きに火をつけ、直方の素晴らしい歴史を活かしたまちづくり活動に展開していかなくてはいけません。九大景観研も頑張ります!

March 11, 2020
琺瑯看板は良い

今日は、琺瑯(ホーロー)看板のお話を少し。

ホーローと言うと、僕たちの世代はヤカンとかマグカップよりもオロナミンCやボンカレーの広告看板を思い出す。よく国道沿いの農家の倉庫の壁なんかにはってありました。

最近はすっかり見なくなったが、実はホーローはすごい。今の看板は退色したりシールが剥がれたりして長持ちしないが、ホーロー看板はものすごく耐久性がある。おまけに古くなればなるほどいい感じの味が出る。レトロな街並みにもよく馴染む。

景観研は、福岡は箱崎にある原田琺瑯という会社にこれまで何度もお世話になってきた。以下はそのうちの一つ。唐津東港に設置されている救命浮環の使用説明板です。かなり前に設置したが全然痛んでいない。さすがです。

皆さんもまちづくりの中で街路表示などのサインにホーローを使ってみてはいかがですかな? きっとハマります。

March 5, 2020
車掌カバンとイサム・ノグチのお皿

今日は所用で広島を訪れた。広島には小学校の一年生まで住んでいたんです。

時間があったので少し市内をウロウロしてみることにし、まずは大好きだった広電のチンチン電車に乗る。流川、紙屋町と記憶にある名前の停留所が続く。原爆ドーム前で降りて、中村良夫先生が東工大時代に指導した太田川沿いを南に下る。目的地は平和公園を抜けたところにある平和大橋。イサム・ノグチがデザインした高欄を、七つの時以来本当に久しぶりに見た。あの大きなお皿が先に付いた独特の高欄は、子供心にも不思議で、鮮明に記憶に残っていたのだが、えらく小さくなっているではないか! 当時ワリと近くに住んでいて、母親に手を引かれて橋を渡った時はもっと大きかったのに…まーよくある話ですね。

広島駅に戻るチンチン電車は最新型の三両編成だったがワンマンではなく、車掌さんがブザーをブッブーと鳴らすと電車が動き出す。昔とおんなじじゃん! これには感激。おまけに腰にはこれまた昔とおんなじ黒い革を金属で巻いた小さなカバンを下げておられる! 広電エライ‼︎

すっかり気を良くした僕は、いかがわしい「生もみじ」などではなく由緒正しき「漉し餡入りもみじ饅頭」を一箱もとめて家路に着いたのであった。

 

子供の時には空を背景にとても大きかった「お皿」

 

憧れだった車掌カバン

February 27, 2020
スリッパリー

今日は雨。雨が降るといつも思い出すのが「slippery」。サッカーの試合の中継で解説者がよく「ピッチがスリッピーだから…」って喋ってるが、あれはアメリカでは通じない。「slippery」が正解で、発音はスリッパリー。留学していた時に「slippy」って喋ったらアメリカ人の友達からすぐに直された。こういうある種びっくりの「学び」は一生忘れないもの。これからもテレビで誰かが「スリッピー」って言う度に気になるんだろう。皆さんもお気をつけあれ。

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