唐津東港に木製ボラードの転落防止柵が設置されるのに合わせ、
今年度「木製の説明看板」を取り付けることになりました。
看板の内容は、転落防止柵で使用されるチェーンが巡視船「まつうら」で使われていた錨鎖だったことを説明するものです。唐津みなとまちづくり懇話会で取り付けることになりました。
木材は佐賀の県産材を用います。唐津で木を使うプロジェクトではいつもお世話になっている「(株)栗原木材店」さんに今回も部材の注文をしました。
ここで僕が注文する際に説明が不足したため加工に不具合が生じてしまいました。手間を取らせてしまい栗原さんにはご迷惑をかけてしまいました、本当に申し訳ありませんでした。
再度確認して無事加工を済ませた部材を先日受け取りました。
次は、エコアコール処理のため「九州木材工業(株)」さんに部材を持っていきました。
エコアコールには1ヶ月程度時間がかかります。
エコアコールが済んだら、研究室で文字を彫り、看板を組み立て、現地に取り付ける作業になります。
エコアコール処理の間に、作業がスムーズに進むように段取りを準備します。
これまでの経験を踏まえ、スムーズにいくように注意するポイントを見定めることに注意しようと思います。
出会いと発見DIARY
唐津東港で起きた、あの悲しく不幸な事故からちょうど2年。
事故現場の臨海公園の岸壁に、このたび転落防止柵が設置されました。
事故後すぐに転落防止柵の設置は決まりました。
しかし、どのような転落防止柵を設置するかについては、事故現場を含む東港一帯が港湾エリアの賑わい・交流の拠点となるように、今もなお整備が続けられている場所であるため、唐津みなとまちづくり懇話会の中に「みなとの安全・安心計画会議」という委員会が組織され、これまでの唐津のみなとまちづくりの経緯を踏まえた中で慎重に議論が進められてきました。
議論の末に設置されたこの転落防止柵は、決して物理的に人が岸壁から海に転落することを防ぎきれるものではありません。
しかし、唐津市民や来訪者がたくさん集まり、親しみを持って頂けるような開かれた港づくりを進めている中で、釣りや散歩などを楽しむ利用者に「港・海に近づいてはいけない」というような印象を強く抱かせるものではなく、「ここから先は危ないので気をつけてください」というような注意喚起を促す程度のものがこの場所には適切だと考えられました。
また、注意喚起を促す転落防止柵だけではなく、万が一転落者が出た際に他の利用者が瞬時に救援できる救命浮環の設置や、岸壁側の利用者に視線を向けられるベンチを配置するなど、港の空間全体で事故に向けた備えを設けておくことことが重要だと考えられました。
製品に関して、素材はボラード(支柱)のキャップ、ベース部に鋳物、支柱の構造部には木材(八女産杉:エコアコール処理)が使用されています。異種材料による製品であるため、鋳物製品の製造・販売する昭和鉄工(株)と、木材の防腐技術を有する九州木材(株)と九大が共働し、製品開発を進めてきました。一見単純に見える構造ですが、ディテールにはデザイナーとエンジニア、そして素材を加工する職人の知恵と技術が詰まっています。(6枚目の写真は製品完成後に撮影した共働開発者の集合写真)
チェーンは、昨年度退役した唐津海上保安庁の巡視船「まつうら」のものが使用されおり、退役してもなお唐津の海を守り続けている役割を果たしてくれています。
今年度は予算の都合上7基(約25m)の設置となりましたが、来年度以降も整備が継続され約320mに延伸する予定です。さらに、前述した救命浮環やベンチの設置も予定されています。
あの事故から考えさせられた臨海公園の安全面の地域での認識が、今後の賑わい・交流の拠点づくりのさらなる発展につながっていければと思います。
唐津にはたくさんの部会やWGがあり、その分いろんな会議が常日頃開催されていますが、
今日はデザイン専門家会議に出席してきました。
デザイン専門家会議は、みなとまちづくり懇話会内の組織の一つであり、名前の通り
デザインの専門家の皆さんの集まりです。
唐津の港周辺で何か作る際に、デザインの立場からアドバイスを行います。
この会議があるおかげで唐津の海辺にできるものにはデザイン的な統一感が生まれるわけです。
今回の議題のうち九大的にメインは、みなとの安全・安心計画会議の方で議論している
海辺の転落防止柵のデザインについてです。(まつうらの鎖を持って帰って作っていたアレです。)
実際にモックアップをみなと松原Aゾーンに設置して、委員の皆さんに見て頂きました。
支柱は直径30cmの八女産杉で、キャップとベースは鋳物でつくることを想定しています。
今回は予算の制約を踏まえて、木材、鋳物、まつうらチェーンを使った案を提案しています。
モックアップでは、杉材は実物を用い、鋳物部分は木材やスタイロを使ってB4鬼塚が見事に
再現してくれました。
モックアップを見終わった委員の皆さんからは
・今でも十分な存在感があるので、これ以上ごっつくならないようにしたい
・チェーンの垂らし具合は再度検討が必要
・ベース部分の処理は詳細まで検討する必要あり
・コストも抑えられるし、見た目もソフトな感じが出せるので木の利用がいい
などの意見が出されました。
今回のデザイン専門家会議での意見を踏まえ、みなとの安全・安心計画会議にて再度議論されます。
唐津から持って帰ってきた鎖(5m)は、1/1模型に使われるべく、順調に変貌中です。
↑鎖表面のさびを落とし、さび止めの塗料を塗った状態です。
今日はこれを塗装していきます。
色は唐津グリーン(唐津東港公園のプラットホームに立つ照明柱と同じ色です)!!
おにっち、らんちゃん、寒い中での作業ご苦労様です。
一度塗り完了~
そして次は明日の準備・・・
明日も唐津で一日作業です。
明日の様子はまた後日紹介します♪
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