風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
May 15, 2016

大分市中島錦町線現地視察【大分/榎本】

5月10日、11日にかけて、樋口先生と榎本で今年度、アドバイザーとして関わらせていただく大分市の中島錦町線の現地視察に伺い、今年度は中島錦町線沿道の小学校に通う子供たちと中島錦町線の将来像を考えるワークショップを行うことになりました。
 今回の現地視察では、主に中島錦町線の工事区間を大分市の都市計画課、建設課、文化財課のみなさんに案内して頂きました。
 この中島錦町線は、大伴宗麟の屋敷跡の遺跡にかかる道路で、中世の大分の中心地であり、メインストリートであった場所です。中世時代は今より海岸線がもっと南にあり、中島錦町線の北端あたりに船が着いており、中島錦町線の工事前に行われている発掘作業では外国との貿易でやり取りされた外国製の陶器などがたくさん出土しているそうです。そうした出土品も実際に見せて頂きました。
近世になり、海側の埋め立てが行われ、町の中心は現在の府内城跡周辺に移動していくわけですが、大分市のまちの中心が、古代、中世、近世と上野丘、大分川、海岸線との関係で移り変わっていくという話はたいへん興味深いものでした。
 大分市は戦災復興の結果、残念ながら近世以前の町の履歴について多くは失われてしまいましたが、中島錦町線周辺はそれでも中世時代の歴史を感じられる場所が残っており、今後の大分市の景観づくりを考える上で大切な場所だと思いました。

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