風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
October 19, 2013
二タ子三丁目倉庫イベント「みなとミュージアム」にスタッフとして参加してきました。【唐津/河津】

10月12日(土)・13日(日)に、唐津の二タ子三丁目倉庫で、GATSU FACTORY主催のイベント二タ子三丁目倉庫 been to HOME’2013「みなとミュージアム」が開催されました。

二タ子三丁目倉庫の利活用、海辺に人の活動を生みだすことを目的に行われるイベントは、今年で4年目を迎えました。
去年までのイベントは、フリーマーケット・クラフト展・飲食ブースと内容が多くて、何のイベントをやっているのか分からないようでした。
今年はメインターゲットを30代以上の人と絞り、12日(土)は「一夜限りのみなとBAR」として食・酒・音楽を楽しむ空間に、13日(日)は「一日限りのみなとミュージアム」としてヴィンテージ雑貨やクラシックカーが集まる展示会場になりました。
景観研の学生もスタッフとして準備とイベントスタッフをお手伝いさせていただきました。
12日(土)は「一夜限りのみなとBAR」
この日はお昼から準備が始まりました。
倉庫内にテーブルやテントの枠を設置して

お店の方も自分の持ち場の準備をしています。


ミュージシャンの方はリハーサルをしていて、準備中のBGMになっていました。

そして日が落ちてくると参加者の方が次々に入場してきました。

チケット購入されていた方には、スローフードプレートが付いてきます。

このプレートは、neufさん・caffeLunaさん・川島豆腐さん・藤川蒲鉾さんと唐津の食が集結したものになっています。




お腹も満たされ、お酒もすすんできたところでライブがスタート。
NASTAさん・松本かつひろさん・BE THE VOICEの方の音楽を聴きながら、参加者はお酒や雑談を楽しんでいました。







我々スタッフも参加者の皆さんと一緒に楽しませていただきました。
翌日13日(日)は、「一日限りのみなとミュージアム」。
前日の空間とは一転して展示場に変わりました。


レトロな雑貨を売る方、船の模型を展示している方、プラモデルを作る方、鉛筆に彫刻をしている方と色んな方がブースを立ち上げていました。





この日は大人だけでなく子供も参加していて、色んなブースを楽しそうに回っていました。
今年の6月に唐津の皆さんと作った芝生広場にはテーブルとベンチを設置し、参加者の方は食事をしたり雑談したりと、ゆったりとくつろいでいました。

この二日間で、二タ子三丁目倉庫にはたくさんの人の賑わいが生まれました。
私たち学生もこのイベントに関わらせていただいて、こうして地域がもっと元気になると良いなと感じています。
GATSU FACTORY主催二タ子三丁目倉庫のイベントも4年目の今年で一旦終了です。
次の三丁目倉庫利活用WGで今後の利活用の方針を話し合います。
2日間、とても充実した時間を過ごすことができました。
この経験を私たちのプロジェクトに生かしていこうと思います。

一緒に活動したGATSU FACTORYのみなさん、市役所の友永さん、柳さん、そして唐津の皆さん、ありがとうございました。

October 18, 2013
大漁@西浦!~西浦漁港現地調査~【北崎/裴】


9月に行われた第2回北崎まち歩きで、
西浦(にしのうら)港ひもの通りにある「大洋丸のお魚」というお店からいただいた
漁船の古い旗を研究室の鍛冶くんがのれんに作り替えてくれました!
のれんとしての風情だけではなく、
九大景観研が北崎の地域づくりに取り組んでいる事を
うまくアピールしている研究室の新しいアイデンティティーとなりました!
さて、2回の北崎まち歩きを通してすっかり北崎ファンになった研究室のメンバーは現在、
11月4日西浦漁港で行われる
「花鯛郷(はなたいこく)秋穫祭 in北崎」にて、
北崎の魅力を発信するパンフレットを作成しています!
より地域に密着した濃い内容のパンフレットにするべく、
本日、西浦漁港へ取材に行ってきました!
どのような取材をして来たのかは、
11月4日にお祭りで配布するパンフレットの完成版を見ていただきたいのですが…
ブログでは今日の取材の様子を一部公開しちゃいましょう^^

大型漁船が漁から帰ってくる時間についての情報を独自ルートで入手し、
研究室から慌てて自転車で西浦漁港に向かいました。
強い向かい風でヒーヒー言いながら必死にペダルを漕ぎましたが、
なんとか間に合いました!
九大から自転車で行ける距離でよかったです。

本日案内をしていただいた西浦浜町内会の木藤さん(写真左)!
木藤さんも一本釣りをする漁師さんです。
さぁ、気になる本日の水揚げは…

こ、これは…
大漁ですね!

イカ等も獲れていて、種類も豊富!
他にも、さわら、やりいか、かわはぎ等も獲れるとのことです。
しかしこれが船一艘で獲れた量とは…
(正確には、船二艘で網を引いて漁をする「ニそうごちあみ」という漁法です)

「花鯛郷」とも言われる北崎。
やはり速い潮に揉まれ、身が引き締まった鯛が最高に美味しいらしいです。
鮮度管理もきっちりしており、漁師のみなさんが綺麗に箱詰めをします。

漁師の宗さん!
なんと79歳の今でも現役バリバリです。
中学卒業してから漁業をやっておられるので、
漁歴65年の大ベテランです!
今月は台風やら強風やらでまだ4回しか漁にでていないということでしたが、
今日の大漁振りを見てご満悦の様子です。

帰り道通過した北崎もう一つの漁港、唐泊(からとまり)。
今日は福岡の漁業を支える屈強な海の男たちに出会い、
漁の素晴らしさを体感しました。
日本人は現在「魚離れ」が進んでいると聞きますが、
北崎のように新鮮でおいしいお魚を獲ってくれるところがもっと増えたら、
「魚離れ」も解消していくのではないでしょうか。
他にも西浦保育園の素敵な園長先生にお会いしましたが、
また今度の機会にご紹介しましょう。
「花鯛郷秋穫祭り in北崎」は11月4日(月祝)、西浦漁港で開催されます。
おいしいおいしい「鯛めし」を食べてみたい方は是非足を運んでみてください!

October 18, 2013
三和バリアフリー歩道 平成25年度の取り組みについて【三和/行徳】

昨年度で終了予定だった三和バリアフリー歩道の試験ですが、今年度も引き続き行います。
主な原因は僕のスケジューリングや調整力の無さです。
このプロジェクトへの理解が甘く、昨年度中に試験を全て終わらせることができませんでした。多くの人に迷惑をかけ、悔しい想いもたくさんしました。
今年度はやり残したことをしっかりやり終えて、住民参加で考えられたバリアフリー歩道の事後評価を完了したいと思います。
その結果として、この取り組みが屋外空間におけるバリアフリーの進展に貢献できれば幸いです。
これまで「三和ユニバーサルデザイン歩道」と呼んでブログで紹介してきましたが、これからは「三和バリアフリー歩道」と呼びます。
ユニバーサルデザイン・・・全ての人が使いやすいものを考えるという「考え方」
バリアフリー・・・ある対象者のバリアを取り除いた「事物や状態」
三和バリアフリー歩道は、ユニバーサルデザインという「考え方」のもと、視覚障害者だけでなく車いす利用者や足の不自由な高齢者にも配慮したバリアフリーな歩道「事物」ということになります。
ユニバーサルデザインは理想であり、その理想に向けて一つ一つバリアフリーの対象者を広げていくということです。

滑らかなコンクリートと粗いインターロッキングの違いを全盲者が認識するという設計意図でしたが、違いが認識できないということが去年の歩行調査で分かりました。
今年度は昨年度の結果をもとに試験舗装をつくり、全盲者、弱視者、車いす利用者による歩行試験を行います。
【コンクリート】
設計では木ゴテ仕上げとしていたが、粗い箒引き仕上げになっていた。
県の担当者が変わり歩行者が転倒しないように安全に配慮した結果、屋外空間のコンクリート舗装にて一般的に使用されている粗い箒引き仕上げになったと考えらる。
設計通り、滑らかな木ゴテ仕上げにする。雨天時にも転倒する危険がないか検証する。
【インターロッキング】
車いす利用者に配慮した溝切りインターロッキングをこれまで使用していたインターロッキングよりも粗いものとして使用することにした。
インターロッキングの製造メーカー各社で溝切りインターロッキングが発売されているので、サンプルを取り寄せて、視覚障害者や車いす利用者によるテストを行う。
【ピンコロ石】
設置方法、施工手順についても詳細に検討する。
以下、これまでの取り組みのフローチャートです。
今後、これまでの進捗状況について随時更新していきます。
試験日は11月7日の予定で準備を進めています。

October 9, 2013
山本剛さんからのお話と大島竹林見学 【大島/河津】

静岡県南伊豆で竹林を利活用しておられる山本剛さんに講師として大島に来ていただき、実際に竹を竹林の中で燃やす方法を教えていただくことになっていましたが、台風により中止となりました。しかし、大島の竹林の状況は見ておきたいという事をおっしゃられていたので、当日、大島公民館で話を聞かせてもらい、実際に竹林を見ていただけることになりました。

まず、山本さんは「竹林は宝物だ」とおっしゃいました。
中国から輸入される安いタケノコが市場に出回り、またプラスチック製品の普及によって竹の利用が少なくなり、日本中の竹林に人の手が入らず放棄されていきました。しかし、体験学習をする場所には最適で、資源としても有効利用できる、これほどの宝を無駄にしてはいけないとおっしゃいました。山本さんは、ガールスカウトの人や子供達と一緒に炭作りや竹細工なども行っているようです。
山本さんは、たくさんの地域で竹林内の炭焼きの話をしていて、どの地域へ行っても火事の心配は無いかと質問を受けるそうです。私たちも質問したのですが、広島で山火事が起こった際に竹林に囲まれていた場所は燃え広がらなかったという事例と共に、竹林内は特殊な環境だから炭を焼いても安全だという事を説明してくださいました。
炭焼きの時期は年中いつでも良いようです。炭焼き中に火は高く上がるけれども竹の葉に燃え移ることはなく、また竹がしなるほどの風が吹く日でも炭焼きをやっているとのことです。実際に現場でやってみると安全かどうか体験できる、だから一度やってみるといいと説明されました。
山本さんは、竹林内で竹を燃やしてできた炭を畑に撒き、たくさんの種類の野菜を育てているようです。竹林内で焼いた炭にはたくさんの穴が空いていて、その穴に微生物が住んでくれるから土壌が良くなるという事です。
雨が強くなってきましたが、実際に大島市民の森、あづまや付近の竹林も見ていただきました。


この竹林も炭焼きの空間づくりをしやすい場所だという事でした。また、作業効率を良くするために、5m幅で帯状間伐をしていけばよいのではないかとのアドバイスもいただけました。
山本さんは、竹はアメリカ・フランス・ロシアなどにはないものだから、竹に興味を持ってくれる人が多いそうで、竹林を国際交流の場として使う事や、そういった国にタケノコを輸出していけばまた竹林に人手が入っていくのではないかと考えておられるようです。九大は留学生も多いので、竹を使った国際交流ができればよいなと思います。

今回、実際に炭焼きの活動することはできませんでしたが、これから唐津みなと里山の会で行おうと考えている里山づくりに生かすことができる話がたくさんありました。これまで竹を邪魔者として扱うことが多かったですが、山本さんが行っているように竹林を楽しく利活用する事も大切だと知ることができました。
山本さん、貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました!

October 7, 2013
10月8日 台風接近のため竹の研修会は中止となりました。【大島/河津】

 唐津みなと里山の会では、大島でこれから無理なく楽しく竹林を整備していき、イベントや交流活動を行うことのできるスペースを作ることや、また西唐津を一望できる登山道の眺望の確保を行っていこうと話し合いをしてきました。
 そこで、竹の伐採・処理方法を教えていただこうと、静岡県南伊豆で竹林の整備と竹の利活用を行っている山本剛さんに来ていただき、竹林内でそのまま竹を燃やして炭にする方法を教わることになっていました。
 しかし、当日台風が唐津に接近するとの予報が出て、竹の伐採や火を使う活動をするのは危ないと判断しました。楽しみにしてくださっていた方もいらっしゃるかと思いますが、安全を優先しようという事で竹の研修会の開催は中止させていただくことになりました。
 大島の方、市役所の方、山本さん、たくさんの方と道具の準備やスケジュールの調整、参加者の呼びかけをしてきました。今回の中止がとても残念ですが、台風の中、けが等が起こる事のほうが大変です。
 またこういう機会を設けて、次こそ竹の研修会を成功させることができたらよいなと考えています。

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