風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
February 5, 2013

久賀島の近況【五島/高尾】

景観研究室特任助教の高尾です。嬉しいことがありましたので、久しぶりの投稿です。
平成19年夏から通っている長崎県五島市。そこに久賀島という名前の小さな島があります。昭和40年頃には4000人以上いた島の人口も今では400人余。行政に見向きもされず(と言ったら言い過ぎかもしれませんが)少子高齢化、過疎化が進む一方で、島人たちは半農半漁の伝統的な暮らしを続け、その結果として美しい風景が残されていました。
平成19年から本格的に景観行政をスタートした五島市、努力の成果が実って平成21年には久賀島全体が国の重要文化的景観に選定されました。そのプロセスでは、行政と島民が膝を合わせて島のあり方を議論してきました。私も市のアドバイザーとして、当時の学生たちとともに主体的、積極的に議論に参加し、調査や計画提案を行ってきました。
当初からぎこちなかった行政と島民の関係も、最近少しずつ変わってきたように感じます。昨年には島民一丸となって漂着ゴミの清掃活動を行い、そこに多くの市職員が参加しました。そして今日、市からの知らせで、島民たちが、島の椿マップの作成と、案内サインの設置を自主的に行っていることを知りました。
本当はごく普通にあたり前の暮らしが守られることが理想なのかもしれません。でも、もう待ったなしの状況のなかで、島の人々が自ら動きだしたことは、たとえ小さな成果であっても、島の未来に一筋の光を差し込むようで嬉しく思います。上の写真は一斉清掃活動の様子を、下の写真は設置されたサインを撮影したものを市職員が送ってきてくれたものです。
皆さんもぜひ久賀島を応援していただければと思います。

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