風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
November 27, 2012

大島市民の森現地見学会【唐津/江副】

大島市民の森を懇話会のみなさんと歩いて見て回りました。

市民の森は、設計されたころは禿山で、間引くことを考えてたくさんの木が植えられたそうなのですが、
その後の管理が行き届かずに今では道のほとんどが木々で覆われて薄暗く、
周りの風景が見えない状態になっていました。
市民の森ができた初めの5年程は管理者がおり手入れがされていたのですが、
予算の都合で管理する人がいなくなってからは草木が生え放題となり、
冷蔵庫など家庭ごみの不法投棄もあったそうです。
つくった後の維持管理のことを視野に入れた計画が不可欠です。

大島の北には八十八カ所巡りの地蔵や祠があり、ハイキングコースになっています。
これらは戦時中の人々や、炭坑の積み出し港として賑わっていた時代の作業員の方の安全を祈願するものとしてつくられたそうです。大島には四国から来られた石工さんなども多くいらっしゃるそうで、四国八十八カ所との関連性がうかがえます。
また、今は竹林となっている場所はかつての段々畑だったところで、その名残として石積みがあちらこちらにありました。

市民の森の東にある展望台からの景色です。
ここからは高島、鏡山が一望でき、海面に波形がくっきりと見えてとてもきれいです。
高く伸び過ぎた木を切れば東港まで見晴らすことができるでしょう。

見学会が終わった後、二タ子三丁目倉庫で市民の森を歩いた感想・意見を話し合い、
風景を楽しみながらウォーキングができるように、木を間引いたり花を植えたりした方がよい、
間引いた木を薪や炭として売る、駐車場を確保して車で登られるようにするなどの意見が出されました。
見学を通して、市民の森の現状抱えている問題と持っている魅力が見えてきました。
八十八カ所や360度景色を展望できる地形などの大島の持つ魅力を活かせば、
市民の森が人々の憩いの場所となり、ウォーキングなどのイベントにも利用される素敵な公園へと生まれ変わることができそうです。

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