風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
October 29, 2011

風景デザインサロン(曽木の滝分水路)【行事/羽野】

10月28-29日、鹿児島県さつま町と伊佐市で行なわれた風景デザインサロンに参加しました。
今回のサロンの対象地は、川内川激特事業の虎居地区と曽木の滝地区です。

曽木の滝の景観です。ゴツゴツとした岩がむき出しの自然景観です。

今回の対象地、曽木の滝の左岸側に整備された分水路です。
滝と分水路が一体として捉えられるよう河床、法面は岩盤掘削面をむき出しにし、河道は緩やかに蛇行させていました。

法面掘削の仕上げ面は、岩の摂理に沿った掘削により違和感なく仕上がることを目指しています。
不安定に残る岩は、バックホーのバケットにワイヤーブラシを装着し岩の表面を撫でるように施工したとのこと。その工夫が窺い知れる法面です。

河床には低水路が掘り込まれていますが、常時の水量はほとんどありません。
出水が引いた後に残る水溜りがわずかに連なっています。
分水路呑口の先に見える本川から、分水路にせせらぎができる程度の常時取水があっても良いのかなと感じました。

河床に降りる階段です。
水流があたる呑口であり、現場発生の雑石の利用に際して、強度が発揮できる崩れ積みが用いられていました。
石が縦にしっかりと落とし込まれているのが分かります。
土佐崩れ積みに詳しい福留脩文氏指導のもと施工されたそうです。

岩盤に挟まれた階段部の石積みです。
雑石の布積みですが、少し人工的な違和感があるように思います。
人の手が入る箇所は割り切って、積石はきれいな間知石を使い整然と並べても良いのかなと感じました。

分水路の対岸、曽木の滝右岸側に残る曽木発電所用水路(明治39年完成)です。
永い時間を経て岩盤と石積みが違和感なく一体化していました。
岩盤からの湧水が多い曽木の滝分水路も、岩表面がうまく苔むして良い雰囲気の場所になることと思います。

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