風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
June 10, 2011
基礎石設置、基礎コン打設【トロッコ倉庫/深川】


今日は基礎石を添えて、基礎コンを打設するという基礎工の中でも非常に重要な作業を行ないます。
まずは前回のブログでご紹介した、旧松浦橋に使用されていた御影石を運び出します。
御影石のある浄水センター内にクレーン車とトラックを入れ、重さ500キロ近くある御影石4本を現場へ搬出します。


現場に着くと一旦、御影石を地面に置き、打設するコンクリートとの定着が良くなるように、御影石の表面をきれいにします。
御影石の表面には貝殻がついており、海岸部で使われていたことが理解できます。


表面をきれいにしたら再度クレーン車で吊り上げ、捨てコンを打設した溝穴に設置します。
このとき溝穴の表面と、御影石の表面にクサビを入れ、基礎高がなるべく水平になるようにします。
基礎石を設置すると、基礎コンを打設するためには溝穴の幅が狭すぎることが分かり、溝穴の幅を少し大きくしました。

溝穴の幅を大きくし終えた頃、生コン車が到着し、基礎コンを打設し始めました。
バイブレーダを用いて、コンクリートを溝穴と御影石の隅々まで充填した後、
小手を使って基礎の表面をきれいに均しています。
生コンを持ってきてくださった、唐津みなとまちづくり懇話会の田代さん(写真手前)にもお手伝頂きました。


松浦橋で使われていたという事実を示すため、ホゾ加工された部分は地面から出るようにしています。

約1.5㎥の生コンを使い切り、基礎コンを打設し終えました。
今日の作業では、地元の多くの皆さんに大変お世話になりました。
お忙しい中、ありがとうございました。
次は、御影石にアンカー用の穴を空けます。

June 9, 2011
第6回風景デザインワークショップのご案内【行事/高尾】

風景デザイン研究会(樋口が幹事長、高尾が事務局長)では、今年度も下記のとおり
風景デザインワークショップ開催しますので、会員の皆様にご案内申し上げます。
今年度のWSでは、「地域で暮らす、地域が生きる」ということを大きなテーマとして、
特に九州の農山漁村を対象として、地域が直面している課題、
そのなかで地域において景観を考えることの意義、景観の価値をどのように評価し共有するのか、
その中でデザインのできること、等について、議論したいと考えております。
そこで、初日のシンポジウムでは、今年3月に東京大学景観研究室教授を退官された
内藤廣氏(建築家/内藤廣建築設計事務所)に「風景をこえて」と題して基調講演をいただき、
さらに内藤氏と会場の皆様との討論を鮎川透氏がコーディネートする座談会を開催します。
二日目の連続討論会では、「日本の原風景を継承していくために-文化的景観を題材に-」
と題して、3つの地区を事例として、行政担当者や専門家等の関係者とともに
より具体的な議論を行ないたいと思っています。
なお、今年はあじびホールに会場を変更しております。
会場の都合上、収容人数を超えた時点で締め切りとさせていただきます。
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【シンポジウム】「風景をこえて」
日 時|6月10日(金)13:00~16:30
場 所|あじびホール
参加者|120名 ※申込不要・参加費無料・先着順(12時受付開始)
1.開会(13:00~13:10)
2.基調講演(13:10~14:10)
タイトル:「風景をこえて」
講演者:内藤廣氏(建築家/内藤廣建築設計事務所)
2.座談会(14:30-16:30)
パネリスト:内藤廣氏(前掲)
コーディネータ:鮎川透氏(建築家/環・設計工房)
※終了後、17時過ぎより懇親会を予定しております。
【連続討論会】「日本の原風景を継承していくために-文化的景観を題材に-」
日 時|6月11日(土)10:00~16:30
場 所|あじびホール
参加者|120名 ※申込不要・参加費無料・先着順(9時半受付開始)
1.趣旨説明(10:00~10:15)
2.セッション1(10:15~12:00)
テーマ:「文化的景観」はどのように評価されるべきか-歴史学の観点から-
事例:田染荘小崎の農村景観
パネリスト:飯沼賢司氏〔別府大学教授〕
岩男真吾氏〔豊後高田市教育委員会〕
コーディネータ:小林一郎氏〔熊本大学教授〕
3.セッション2(13:15~14:45)
テーマ:地域にとって「文化的景観」とはなにか-地域づくりの観点から-
事例:五島市久賀島の文化的景観
パネリスト:松崎義治氏〔五島市文化推進室〕
高尾忠志氏〔九州大学特任助教〕
コーディネータ:田北雅裕氏〔九州大学講師〕
4.セッション3(15:00~16:30)
テーマ: 「文化的景観」のなかでの公共事業-土木デザインの観点から-
事例:平戸島の文化的景観
パネリスト:植野健治氏〔平戸市教育委員会〕
仲間浩一氏〔九州工業大学教授〕
コーディネータ:星野裕司氏〔熊本大学准教授〕
※お問い合せ
風景デザイン研究会事務局(九州大学樋口研究室内) tel.092-802-3435(担当:高尾)
風景デザイン研究会ホームページ http://www.fukei-design.com
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June 8, 2011
コアセミナー2011【唐津/康】

今年もコアセミナーの季節がやってまいりました。
コアセミナーとは、学部1年生が各研究室に配属され、あるテーマに沿って色々学ぶことにより、大学の研究について具体的にイメージできることを目的とする授業です。
今年の対象地は相変わらず唐津です。
去年は九電唐津発電所と浄水センター間の水路を対象として、木を材料として橋をつくることについて学んでもらうことを目的とし、1/20の木橋の模型を製作してもらいました。
今年は去年と同じ場所に木橋をかけますが、今度のコンセプトは動く橋、「可動橋」です!
一般の橋なら高さが足りないため、船が通らないけれど、可動橋なら人も船も通れるので今回は可動橋にしました。

1年生との現場見学です。
そして、前回は先生の図面を下に去年の図面を参考しながら、寸歩をだしました。

赤:福井涼平くん  緑:岡本昌也くん  黄:児島拓郎くん

みんな言われたことだけじゃなく、自分の考えもちゃんと入れつつ、寸歩を出して行きました。
次からは本格的に模型の製作に入る予定なので、皆さん、少ない残り時間、頑張りましょう!
汉语 ver.
核心研讨会2011【唐津/康贞兰】
又到了开办核心研讨会的季节了。
核心研讨会是学部一年生被分配到各个研究室,通过围绕特定的主题进行讨论和学习,来了解更真实的大学研究生活的课程。
今年的目标区域仍然是唐津。
去年是以九州电力唐津发电站和净水中心之间的水路为目标区域,以用木材制作桥梁为主题,制作了1/20的模型。
今年也将在同样的地方制作木桥,但不同的是,今年的主题是可以移动的桥,活动桥。
如果是一般的桥,因高度不够,一般的船只无法通行,而换做活动桥的话,人和船只都可以通行,所以今年决定制作活动桥的模型。
为了更好地把握空间感,在进入制作之前大家一起去现场进行了观察。
然后,根据教授给的简易设计图,参考着去年的图纸,算出了具体的尺度。
大家不仅仅是按照指示去做,还适当地融入了自己的想法。
从下一回开始,将正式进入模型的制作,在仅有的一个多月的时间里,大家一起努力吧!
한국어 ver.
코어 세미나 2011[카라츠/강정란]
올해도 드디어 코어 세미나의 계절이 돌아왔습니다.
코어 세미나란 학부1학년생들이 각 연구실에 배속되여 특정 주제에 관한 학습을 통하여 대학의 연구에 관하여 구체적으로 요해할수있는 기회를 마련해주는 수업입니다.
올해의 대상지역은 여전히 카라츠입니다.
작년에는 큐슈전력 카라츠 발전소와 죠스이 센터사이의 수로를 대상으로 목재로 다리를 만드는것을 목적으로하여 1/20의 목교(木橋) 모형을 만들었습니다.
올해는 작년과 같은 장소에 다리를 만들려고 하지만 이번의 컨셉은 움직이는 다리,도개교입니다.
일반적인 다리는 배가 통과하기에는 너무 낮지만 도개교는 이동할수 있으므로 사람도 배도 통과할수 있기에 이번엔 도개교로 하였습니다.
먼저 공간의 파악을 위하여 1학년생들과 현장견학을 다녀왔습니다.
그리고 교수님이 주신 설계도로 작년의 도면을 참고로하여 치수를 결정하였습니다.
모두들 지시에만 따르는것이 아니라 자신들의 생각까지 적절히 넣어가며 열심히 하였습니다.
다음 코어 세미나부터는 본격적으로 모형의 제작에 들아갈 예정이기에 여러분,얼마 남지 않은 시간동안 열심히 최선을 다해요!

June 3, 2011
由布院盆地景観計画(案)施行に向けて【由布院/西村】

由布院では、由布院盆地全体の景観計画を策定するべく、平成20年より湯布院景観協議会にてその内容が検討されてきました。
昨年度までに「由布院盆地景観計画(案)」がつくられており、今年度は住民説明会、関係団体説明会を開催したり、概要パンフレットを作成したりと、施行に向けた取り組みが動き出します。
今日は、このような今年度の取り組みについて、由布市担当者と九大での事務局会議を行いました。
第1回目の打ち合わせということで、今年度の進め方を確認した後は、住民説明会での説明の仕方、ストーリーの組み立て方を中心に議論を行いました。
午後からは由布院の景観を育てる会へ出席。
由布院の景観を育てる会では、由布院で建物をつくるにあたっての心得、考え方をまとめた「ゆふいん建築・環境デザインガイドブック(2000年)」の内容の改定について平成21年度より検討を行ってきました。
昨年度はそれまでの検討内容を踏まえ、実際にガイドブックの改定作業を行い、増補改訂版として新たに2000部の冊子を作成しました。
(※このデザインガイドブックは盆地景観計画の景観形成方針にも位置づけられます。)

完成したデザインガイドブック(増補改訂版)がお披露目されるのは今日が初めて。
会ではガイドブック(増補改訂版)の内容の確認をするとともに、これを事業者、関係団体にどう周知していくかについて議論が行われました。
会議終了後は、今後住民説明会でお邪魔することになる地域を見て回りました。
ちょうど田植えが終わったところでした。

7~9月には住民説明会を15回ほど開催する予定で、由布院には頻繁にお邪魔することになります。

June 1, 2011
石切り場見学【筑後川\康】

 

6月1日、小長井石の出身地、小長井の石切り場に行ってきました。
瀬ノ下の石積みに使われている石がまさにこの小長井石です。
小長井石は安山岩の一種で、階段堀ではなく、玉石として採掘しています。

玉石を切るときは石の目を確認しながらタガネで穴を掘っていきます。
その後、穴に矢とよぶ鉄のくさびをいれて、玄翁とよぶかなづちで数回叩いたら、大きな玉石がきれいに半分に割れます。

これを何度か繰り返して石材に加工していくわけです。
こういうふうに間知石一個一個には職人さんの工夫がたっぷり入っていて、まさに職人さんの汗で出来たダイアモンドです。
今は間知石に加工できる職人さんは三人しかいなくて、そのなかで一番若い方が70歳でした。
このままだったら遠くない未来には小長井石が使えなくなるかも知れません。
石をいっぱい使う、使える環境になったらいいですね。
汉语 ver.
采石场见习【筑后川\康贞兰】
6月1日,我们参观了小长井石的产地-位于小长井的采石场。
濑下的砌石用的正是这里的小长井石。
小长井石属于安山岩的一种,是以卵石的形式采取的。
采石的过程都是人工开采,现在采石场里能将卵石加工成间知石的师傅只有3个人,而且其中最年轻的师傅已经70过头了。
这样下去在不久的未来,可能就无法继续使用小长井石了。
希望能形成一个多用得了、多用得上石材的建设环境。
한국어 ver.
채석장 견학【치크고강\강정란】
6월1일, 코나가이석의 산지인 코나가이의 채석장에 다녀왔습니다.
세노시타의 제방에 쓰인 돌이 바로 코나가이석입니다.
채석의 과정은 전부 인공채석이였습니다.
현재 채석장에는 켄치석으로 가공할수있는 석수가 3분밖에 없는데 그중에 가장 젊으신 분이 70세였습니다.
이대로라면 멀지 않은 미래에는 코나가이석을 사용할수 없게 될지도 모릅니다.
석재를 많이 쓰는,많이 쓸수있는 환경이 이루어졌으면 좋겠네요.

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