風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
March 2, 2011
第5期させぼ港まちづくりスタジオ活動報告会【佐世保/深川】



2月26日(土)に第5期させぼ港まちづくりスタジオの活動報告会を行ないました。
今期は世保が一番賑やかだったと言われている、
1960年代のまちの様子についての調査活動を行ってきました。
まちが一番賑やかだった頃からは、今後のまちづくりのヒントが眠っているのではないか。
そんな仮説から調査を始めました。
調査は当時を知る市民に対してヒアリング調査を行い、
その時代を実際に暮らした方々のエピソードの中からまちの様子を把握するようにしました。
メンバーの経験上、始めはアポイントメントを取ることすら難しかった活動でしたが、
各自回数を重ねることで自然と慣れ、調査を始めて半年で52名もの方々にお話を聞くことができました。


活動報告会では、調査にご協力頂いた方々や日頃よりスタジオがお世話になってる方々を招待し、
またまち中にポスターやフライヤーを掲載し、多くの方々の前で発表しました。


スタジオ各メンバーが調査を通じて率直に
思ったこと、感じたこと、考えたことを発表しました。
60年代に若者だった方々のエピソードから分かるまちの様子と、
自分達が生活する現代のまちの様子を対比させながら、
昔はあって今はないもの、それがなくなったことでまちはどうなってしまったのか、
学生ならではの視点で各自が発表しました。

会の中では、60年代の佐世保の音楽シーンを知り、今もバンドマンとしてご活躍されている、
安永正利さんに生ライブを行って頂きました。


最後にはご参加頂いた方々から、調査に関する意見を頂きました。
その中では、「大変面白い内容の調査だった。」、「自分達のまちがこんなに賑やかで、かっこいいいまちだったとは知らなかった。」などの感想を頂きました。
また「60年代の調査を通じて佐世保の魅力は何か?」、「この調査をこれからのまちづくりにどのよう活かしてにいきたいか?」、
などの質問も頂きました。
調査開始時は「目標100人っ!!」と掲げていましたが、
今期は52人で終わってしまいました。
残りは来期に持ち越しとなります。
100人を達成した時には一つでも多くの今後の佐世保のまちづくりの提案ができればと思います。

March 1, 2011
修士論文研究成果報告会in湯布院【研究/渡邉】

修士論文審査会の翌日、湯布院で地元の方々に対して、修士論文の研究成果報告会をおこなわせていただきました。「潤いのある町づくり条例」の運用の一部を担う「まちづくり審議会」の勉強会の場をお借りして、町づくり条例の運用の成果・課題とそれらを踏まえた条例改正の方策の提案について発表しました。
研究成果に対しては、審議委員の皆さんからは概ね共感の言葉をいただけて、本当にうれしく思いました。30分の発表の後におこなわれた30分の意見交換も有意義なものとなったと思います。

この報告会の後、皆さんから感謝の言葉をいただいてしまいました。照れくさくも、たまらなく嬉しく、このテーマで論文が書けたことを誇りに思いました。
振り返れば、町づくり条例の運用の20年間を辿る旅は、大変に味わい深いものでした。論文を執筆する間、苦しくなったときは、お会いすることができなかった方も含め、条例制定や運用に関わったすべての人たちのエネルギーがいつも私の背中を押してくれました。20年間を振り返ることは、町づくり条例に託されている「湯布院の未来を想う人々の切なる願い」を実感することでした。この実感を伝えなければ、と思いました。その上で、「条例はこのままで何もしなくていい」という楽観論でもなく、「条例は時代遅れでどうしようもない」という悲観論でもない、データの分析による冷静な評価をおこなうことが私の研究の使命なのだ、と信じてこの論文を書きました。
湯布院の「これから」を考えるときに、この論文が少しでもお役に立つことができれば、本当に幸せです。

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