風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
May 19, 2009

現場見学【嘉瀬川ダム/筒井】

以前この場所を訪れたのは昨年の7月31日。
それからおよそ一年が経過し、私以外の学生は始めてこの現場を訪れました。
▼2008.7.31

▼2009.5.19.

昨年度末にダム景観検討委員会で議論されなかった詳細部分
(主に天端道路から上に見えてくる部分)についてデザインの提案を行いました。
今日は進捗状況の打合せを行いました。
その後工事事務所の方に現場を案内していただきました。
本ダムの堤体のコンクリートの打設は約80%完了し、
以前訪れたときからかなりボリュームアップしていました。
この日もあちこちで同時多発的に工事が行われ、
堤体打設のためせわしなく重機が動いていました。
本ダムのあとには副ダムの見学に。
現場は緑豊かな以前の風景からコンクリートが縦横無尽に張り巡らされた
まったく別の風景に変わっていました。
▼2008.7.31

▼2009.5.19.

研究室は堤体及び周辺の地形の造成のデザインにアドバイスを行ってきましたが、
使用する石について問題が発生したことや工期的なものから結局はもとの案に。
奥に見えるコンクリートの塊は副ダム工事の特徴であるCSG工法の試験施工を行っています。
現場発生の骨材を使用する工法で、
本ダム工事で発生した骨材の余りを破砕することで建設費用の削減、環境保全を狙っています。
ダムは長期的な議論のもとでできあがることが多い上に、
巨大ゆえに軽微な変更なつもりでも構造体に与える影響は無視できない。
その上、立地する現場次第で工事がどう転ぶか読みづらく施工段階の対応も難しいなど…
打合せや現場を見ることで、トータルデザインに一貫性をもたせることの難しさが
少しだけ理解できたと思います。
当時の技術者がそのときの世論の要望に全力で向き合った末がこの形。
過去と現在の彼らの現状を察することも浅学ながらも行うようにしてきた。
だれかを責めることはできないけれど、もう少しなんとかならなかったのか。
私は来年から施工の現場にどう向き合い、そして受け入れていくか。

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