風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
December 10, 2008
第1回 樋門に関する勉強会【筑後川/荒巻】

どうもこんばんは。B4荒巻です。
突然ですがみなさん、
これ知ってますか?
コレ↓

川が家の近くにある人は、馴染みのあるものかも知れません。
そうでない人も、一度は見た事があるはず…
そして、
「アレって一体何なんだろう?」
と思った人も少なくないはず。
その「アレ」ですが、
名を「樋門」と言います。
またの名を「樋管」と言います。
樋門 ひもん ヒモン ヒモン…   ダチョウ倶楽部のあの人じゃありません
樋管 ひかん ヒカンヒカン…    奇抜なヘアースタイルでもありません
樋門・樋管たちの役割は、
川から水路に流れる水量を調節したり
水路から川に流す水量を調節したり
洪水時に川から平野に水が流れ出したりしないようにしたり
僕の論文のテーマになったり…
私たちの生活を支え、災害から守ってくれる頼れるヤツなんです
(知名度低いけどね…)

しかし、あのとんがり屋根
通称(俗称)「小人の家」と申しますが、
あれって河川の景観的に実際どうなの?
そもそも何で三角なの?
どういうプロセスで設計されてるの?
など、様々なギモンがありますが、コレを明らかにする事が私の卒論のテーマです。
そこで現在、筑後川河川事務所の協力のもと
「筑後川水系における樋門・樋管の景観設計の考え方についての共同研究」を行っています。
簡単に言いますと,
河川に馴染む樋門のデザインとは?
を考える研究です。
そしてこの共同研究で、定期的に「樋門に関する勉強会」を開かせていただく事になりました。
その第一回が今日12月10日でした。
内容は
①筑後川水系における樋門上屋の変遷について
河川事務所の台帳をもとに九大が年表にまとめたものについて発表
②荒巻の推測・疑問点についての議論
上屋変遷に関わる時代背景や設計に関する基本的な考え等々…
まずは年表をみんなで見て、自由に話をしました


九州地方整備局が作成した、上屋の標準設計の図面を見せていただきました

羽野兄さん説明中
その後、上記の②について議論しました

かなり基本的な、素人の質問ばかりでしたが、一つ一つ答を頂く事ができました。
今回の勉強会で
樋門の上屋が生まれた理由、三角屋根はただのデザインじゃなく構造的な理由があること、
上屋の形状の変遷の背景等々…
非常に多くのこと、興味深い事がわかりました。
今日持ち帰ったことをしっかり整理し、論文・次回の勉強会につなげていきたいと思います!!
次回は年を越して1月15日です。
樋門の分類についての議論をする予定です。
お楽しみに。

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