風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
September 12, 2011
瓦葺き①【トロッコ倉庫/深川】


いよいよ瓦を葺いています。
前回のブログでも紹介したように、旧大島邸に使用されていた瓦の一部をリユースします。
瓦は屋根の部分に応じて使用する種類が異なり、切妻屋根では「桟瓦」、「軒瓦」、「袖瓦」、
「角瓦」、「のし瓦」、「冠瓦」、「巴瓦」、「鬼瓦」の7種類が使用されます。
旧大島邸の屋根は寄棟屋根だったため、不足していた袖瓦、
角瓦、巴瓦のみ新しく調達することになりました。

左の職人さんが葺いているのが、桟瓦です。

写真左列が軒瓦、右列が桟瓦。
桟木に瓦を引っ掛け、瓦表面に空けられた穴から桟木に釘を刺して固定します。
棟側の棟瓦の下には「瓦座」という桟木が通常入りますが、今回は「鼻隠し」を野地板表面
より少し出すことで瓦座の代わりとしました。

両側の桟瓦を棟部で都合良く接せさせるため、端部をハンマーで砕いて大きさを調整します。

1時間程度で片側の桟瓦と軒瓦が終りました。

両側の桟瓦、軒瓦が葺き終わると、袖瓦(写真中央列)を葺いています。
袖瓦も通常は「破風」上に瓦座が入りますが、鼻隠しと同じように破風にその役目を負わせ
ています。

角部には、「角瓦」という瓦を用います。

桟瓦、軒瓦、袖瓦、角瓦が葺きおわると、棟部に葺き土を盛ります。
葺き土はのし瓦、冠瓦、巴瓦、鬼瓦の棟瓦類を棟部で安定させるために使われます。
葺き土を棟部に盛り終え、本日の作業は終了。
明日は棟瓦類を葺いています。

July 29, 2011
「瓦割」、「瓦桟」取付け【トロッコ倉庫/深川】




「瓦葺き」の作業の前日に、瓦職人さんが現場にいらっしゃいました。
この作業は数ある大工作業をこなしてきた、樋口研のメンツでも未知なことが多すぎるため、
地元の職人さんにお願いすることにしました。
瓦を葺く前に「瓦割」を行い、「瓦桟」と呼ばれる桟木を屋根に取り付ける必要があり、
その作業を行いにいらっしゃいました。
「瓦割」は屋根にどのように瓦を葺いていくか、位置出しを行なう作業です。
「瓦桟」は、瓦を所定の位置に取り付けるための部材で、これに瓦を引っ掛け、
瓦の表面から釘で固定します。
瓦割をもとにして、瓦桟を取り付けています。

軒から出る瓦の長さ、瓦の組み方などを、ジッとイメージしていらっしゃいます。
まさに「職人さん」らしい様子です。

3時間程度で作業は終了。
明日から、瓦を葺いていきます。

July 28, 2011
瓦葺きの前に【トロッコ倉庫/深川】



瓦葺きに入る前に、屋根周りを綺麗に整えます。
まずは、屋根の大きさが寸法通りになるように、
四方からはみ出している野地板を丸鋸を使って切り落とします。

切り落としが終ったら、合掌部材の断面を保護するために、
「鼻隠し」と呼ばれる板材を側面片側に一枚取り付けます。

鼻隠しを取り付けるとしっかりとした「軒出し」が完成しました。
次は、待ちに待った瓦作業です。

July 24, 2011
トロッコ倉庫 「外壁取付け」【トロッコ倉庫/深川】


骨組が完成し、今日は外壁を仕上げていきます。
今日も地元の皆さんに声をおかけし、作業にご協力頂きました。
外壁材には先日皆さんで塗装した杉板(下見板)を使います。



皆さんには、杉板の位置だし、杉板の取り付けの作業をお手伝い頂きました。
差金を使ったり、釘を打ち付ける仕草は大工さんさながらです。

杉板を打ち付けたことで内部の表情もあらわれてきました。
杉の節目がいい感じに内部の空間を彩ってくれそうです。


外壁の張り付けが終わると、皆で屋根部材の合掌に野地板を張り付け、
その上にルーフィング材を張りました。
野地板は本来合板を使いますが、この倉庫には杉の足場板を使いました。
足場板を使ったことで、天井も杉の表情があらわれます。
ちなみに今回使っている木材は、全て佐賀県産材の杉です。

最後に雨水から小屋を守るため、ブルーシートで覆いました。
次はいよいよ瓦を葺きます。

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