いよいよ瓦を葺いています。
前回のブログでも紹介したように、旧大島邸に使用されていた瓦の一部をリユースします。
瓦は屋根の部分に応じて使用する種類が異なり、切妻屋根では「桟瓦」、「軒瓦」、「袖瓦」、
「角瓦」、「のし瓦」、「冠瓦」、「巴瓦」、「鬼瓦」の7種類が使用されます。
旧大島邸の屋根は寄棟屋根だったため、不足していた袖瓦、
角瓦、巴瓦のみ新しく調達することになりました。
左の職人さんが葺いているのが、桟瓦です。
写真左列が軒瓦、右列が桟瓦。
桟木に瓦を引っ掛け、瓦表面に空けられた穴から桟木に釘を刺して固定します。
棟側の棟瓦の下には「瓦座」という桟木が通常入りますが、今回は「鼻隠し」を野地板表面
より少し出すことで瓦座の代わりとしました。
両側の桟瓦を棟部で都合良く接せさせるため、端部をハンマーで砕いて大きさを調整します。
1時間程度で片側の桟瓦と軒瓦が終りました。
両側の桟瓦、軒瓦が葺き終わると、袖瓦(写真中央列)を葺いています。
袖瓦も通常は「破風」上に瓦座が入りますが、鼻隠しと同じように破風にその役目を負わせ
ています。
角部には、「角瓦」という瓦を用います。
桟瓦、軒瓦、袖瓦、角瓦が葺きおわると、棟部に葺き土を盛ります。
葺き土はのし瓦、冠瓦、巴瓦、鬼瓦の棟瓦類を棟部で安定させるために使われます。
葺き土を棟部に盛り終え、本日の作業は終了。
明日は棟瓦類を葺いています。
出会いと発見DIARY
「瓦葺き」の作業の前日に、瓦職人さんが現場にいらっしゃいました。
この作業は数ある大工作業をこなしてきた、樋口研のメンツでも未知なことが多すぎるため、
地元の職人さんにお願いすることにしました。
瓦を葺く前に「瓦割」を行い、「瓦桟」と呼ばれる桟木を屋根に取り付ける必要があり、
その作業を行いにいらっしゃいました。
「瓦割」は屋根にどのように瓦を葺いていくか、位置出しを行なう作業です。
「瓦桟」は、瓦を所定の位置に取り付けるための部材で、これに瓦を引っ掛け、
瓦の表面から釘で固定します。
瓦割をもとにして、瓦桟を取り付けています。
軒から出る瓦の長さ、瓦の組み方などを、ジッとイメージしていらっしゃいます。
まさに「職人さん」らしい様子です。
3時間程度で作業は終了。
明日から、瓦を葺いていきます。
骨組が完成し、今日は外壁を仕上げていきます。
今日も地元の皆さんに声をおかけし、作業にご協力頂きました。
外壁材には先日皆さんで塗装した杉板(下見板)を使います。
皆さんには、杉板の位置だし、杉板の取り付けの作業をお手伝い頂きました。
差金を使ったり、釘を打ち付ける仕草は大工さんさながらです。
杉板を打ち付けたことで内部の表情もあらわれてきました。
杉の節目がいい感じに内部の空間を彩ってくれそうです。
外壁の張り付けが終わると、皆で屋根部材の合掌に野地板を張り付け、
その上にルーフィング材を張りました。
野地板は本来合板を使いますが、この倉庫には杉の足場板を使いました。
足場板を使ったことで、天井も杉の表情があらわれます。
ちなみに今回使っている木材は、全て佐賀県産材の杉です。
最後に雨水から小屋を守るため、ブルーシートで覆いました。
次はいよいよ瓦を葺きます。
外壁作業の前に、先日作り終えた小屋の骨組に少し手を加えました。
作業前
作業後
何が変わったか分かったでしょうか?
3ヶ所くらいいじりました。
じっくり見れば分かると思います。
明日は外壁の作業を行ないます。
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