風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
November 15, 2007
左岸・駐車場【遠賀川/筒井】

11月14日(水) 河川事務所・コンサルタントとの打合せ

11月6日(火)の打合せをうけて、河川事務所内で駐車場の舗装など検討を終えての打合せ。
結論から言いますと、九大が提案したウッドの駐車場や通路のコンクリート舗装は工期の関係上できないという結論に至りました。施工は駐車場のマスは緑化ブロック、通路の舗装は脱色アスファルトとなりました。
駐車場に車が進入するスロープが新設となるため、スロープの形状を当初より少し工夫することで車が県道からスロープに進入する出入口の隅に木を植える提案を行いました。出入口は河川沿いの県道とまちからの道路の4方向の道が交差する場所です。
『まちと川のつながりを強めるためにランドマークの木を植える』
これは2年前の市民部会から話し合われていたことで、まちから河川が見えないことがまちと川との関係を分断する原因になっていると考え、まちからのアクセスポイントとなる場所にランドマークとなる木を植え、まちから川へ人を誘導するねらいがあります。

↑イメージはこんな感じ
11月14日(水) 夜 先生宅で打合せ
コンサルタントが出してきた図面がこちらが想定していたものとの差があったので九大側で急遽図面を書き直し、コンサルタント側で再びきれいに図面に落としてもらうことに。
駐車場は今年度に完成までしなければならないので、工期の関係上一刻も早く図面を出し工費の勘定を行わなければならないので夜も作業を続けます。
打合せでは駐車マスと通路の舗装がこちらの提案が通らなかったので少なくとも端部の処理と駐車マスがならぶラインだけは実現させることを考えました。
その他注意すべきことをトレペの上に書き込んでいきます。
端部の処理は駐車場を利用する立場で考えて通路の通りやすさ、曲がりやすさはもちろんのこと、土羽のスロープと高水敷との境界を盛土によって滑らかにつなぐなど可能な限り直線を作り出さないようにしました。
駐車場のラインは上流側の起伏のついたコンターラインを連続させ、それにあわせて駐車場を配置することで空間の一体感を出すとともに上流側からみたときに起伏を利用して駐車している車を隠すことを狙っています。また、駐車マスが曲線上に並ぶように配置することで直線を減らす工夫をしました。

それにしても駐車台数が多い…(300台+身障者用3台)
11月15日(木) 朝
昨夜の打合せをもとに図面を仕上げています。
↓最終仕上げをしている吉岡さん

November 15, 2007
左岸・駐車場【遠賀川/筒井】

市民部会を終えて…
市民部会をうけて部会のメンバー内で直方市と駐車台数について協議してくださる方がうまれ、河川事務所、コンサルタントで現状の駐車場の利用実態調査を行い、九大としては景観的なアプローチで協力していくこととなりました。
また、設計については市民部会で提案した模型をもとに進める方針となりました。今後は駐車場の舗装材など詳細を検討することになりそうです。既製品では芝生の生育が思わしくない事例が遠賀川で報告されていることから遠くから見てもいかにも駐車場と分かってしまい、風景としてコンセプトに沿わなくなることが懸念されるため、舗装は慎重に考慮しなければなりません。
将来的に駐車台数を減らすためにも現状での利用実態を正確に把握することは大切であり、様々な方の協力があってこそ市民部会で話し合ったことが活かされるのではないかと考えさせられました。
11月6日(火) 河川事務所・コンサルタントとの打合せ
今回の打合せでは右岸と左岸両方の打合せが行われました。
議題は右岸は詳細変更、左岸は駐車場舗装の提案を行いました。

駐車場舗装は市販されている緑化駐車場の製品をパターン分けした資料を作成し、九大案としてウッドを用いた駐車場を提案しました。
駐車場としての機能を有しつつ、風景としてもなじみがよいことが選定の理由で、㎡あたりの単価も既製品の緑化ブロックと少し上乗せになるけど、何とか頑張ってほしい範囲にあると思います。
ウッドの駐車場は既製品の緑化ブロックよりも芝生の生育に対して配慮されているのも頼もしいです。本来住宅の緑化駐車場として施工される場合がほとんどで、電話でヒアリングした限り河川の高水敷での実績はないとのこと。河川で使用するとしたとき洪水時に流されないよう対策を考えて今回の打合せに臨みました。
車の通路はコンクリートのほうき仕上げでところどころに玉石や左岸の水上ステージを撤去したときのレンガの破片を埋め込む方法を提案しました。
ぜひ前向きに検討していただきたいところです。
なお本日の打合せで駐車場の利用実態調査の報告を受けました。平日は利用のニーズは高く開錠前から列ができるほどで、あっという間に駐車場が埋まってしまうようです。休日は反対に利用は3分の1程度でかなり空スペースがあるようです。

November 15, 2007
第14回市民部会【遠賀川/筒井】

10月16日(火) 第14回市民部会
2004年、遠賀川を利用した環境学習先進地域の確立と川とまちの賑わい空間をつくろうという目的のもとで、市民が主体の協議会と市民部会が発足してから三年が経ちました。
市民部会はこれまで月に一回のペースで開催され、『遠賀川を利活用してまちを元気にする』ために必要なことを話し合ってきました。4年生ははじめての参加です。
今回は今年度工事が行われる箇所についての説明を行い、住民の方との意見交換を行うことが主な議題でした。議論は左岸の駐車場に集まりました。

現在の駐車場の利用状況から議論は始まり、「河川敷に駐車場は必要ない」といった意見から、「利用するから残してほしい」といった意見までなかなか話がまとまらず平行線をたどりました。
予定時間を一時間近く超過しても、河川管理者や部会のメンバー内でも立場は違うけれども、それぞれが遠賀川をよい空間にしたいと思っての意見が出されました。
結果として駐車台数を減らした形で整備し、将来的に駐車場を縮小、なくすことを希望していくことで落ち着きました。何台駐車するのか、舗装の詳細などは今後の議論が必要になりました。

November 13, 2007
筑後川/筑後川合川地区利用状況調査【渡邉】

渡邉です。
こんにちは。
急に寒くなってきて、山の木々も色づいてきましたね。
おととい杖立に行ったときも、紅葉がとってもきれいでした。
さて、そんな急に寒くなってきた今年も、研究室総出でやりました。
11月2日と4日の二日間にわたる筑後川合川地区河川敷利用調査です。
昨年の遠賀川での調査同様、寒空の下、AM7:00~PM6:00までのハードな調査となりました。今回も、2講座景観G以外の方にもたくさん協力していただきました。ほんとにありがとうございました!
筑後川のプロジェクトは今年度はこれがはじめてのブログ登場なので、今年度の取り組みも含めて説明していきます。
昨年の高良川の整備に引き続き、今年は合川地区整備コンセプトに基づいて、高良川中流部および合川地区の筑後川左岸部の川づくりプラン検討と詳細設計を実施する予定です。これから研究室としては、具体的整備案について模型等を利用し、「くるめウス周辺環境整備懇話会」での協議のサポートを行っていくことになります。
遠賀川のときには事後評価として遠賀川の利用状況調査を行いましたが、筑後川では整備前後の比較を行えるように、ということで、現在の筑後川の河川敷の利用状況調査を行うことになりました。
対象地域を4つのゾーンに分けて、それぞれにカウント部隊・追跡部隊・ヒアリング部隊を置いて、カウント部隊が河川敷への入場者のカウントをし、追跡部隊が入場者の河川敷内での動きを地図に落とし、ヒアリング部隊河川敷から出て行く退場者へのヒアリングを行う、という方法で平日1回、休日1回の調査でした。
AM5:15集合で一日中外で動き回るというハードな調査でしたが、かなりたくさんのデータが集まりました!
休日の筑後川河川敷はすごいです。めっちゃ人来ます。お天気も良くてお弁当を食べにきたカップルやリバーサイドパークで遊ぶ家族連れ、サイクリングや犬の散歩を楽しむ夫婦、など楽しみ方は様々でした。
渡邉はひたすら下流側のヒアリング部隊だったのですが、参考になりそうな意見から身勝手な意見からいろんな意見があって、興味深かったです。
今日からさっそくデータの集計を行います。
どんな結果になるか非常に楽しみです。
写真はおばあちゃんを追跡中の筒井くんと、おじいちゃんにヒアリング中の佐藤さんです。
がんばってますねぇ。


今回の調査のリーダーだった許斐さん、伊東さん、お疲れ様でした!!

October 15, 2007
左岸・駐車場【遠賀川/筒井】

現在緩傾斜の高水敷が整備されている遠賀川左岸の駐車場の設計について、これまでの流れを紹介します。
駐車場はこれまで遠賀川で整備してきた中で最も下流に位置します。
10月1日(月) 河川事務所・コンサルタントとの打ち合わせ@九大

駐車場設計のアドバイスの依頼をうけました。上流側の地形を活かしてなるべく駐車している車が見えないようにしたいなどの意向を確認しました。
その他にも駐車場を区画をきちんと設けるか、それとも入ってきた車が自由にとめられるようにするのか、駐車場の舗装をどうするのかなどなど・・・少し具体的なことも議論しました。

自由にとめられる駐車場~九大伊都キャンパスをケーススタディとして~
日によって駐車可能台数が変化します。
翌日から粘土をもりもり。

上流側の地形とあわせて検討できるように、これまでつくってきた1/200模型を延長することになりました。
これで勘六橋から日の出橋まで約1キロの範囲を模型で表現することになります。模型の大きさにして約5メートルですね。
10月5日(金) 河川事務所・コンサルタントとの打ち合わせ@九大
打ち合わせ時間ぎりぎりまでスタディ。粘土を盛ったり、削ったり、勾配をつけたり・・・

樋口研ではよくある光景。

打ち合わせ風景。

駐車場を公園と一体となるようにする、バリアフリーの空間とする・・・など9つの守るべきコンセプトを整理して説明を行いました。
もぐり橋付近からみて、下流に向けて駐車場のレベルが高くなるなど風景の面と駐車場、プロムナードのレベルが低いなど河川管理の面からの課題が見つかりました。
10月12日(金) 河川事務所・コンサルタントとの打ち合わせ@遠賀川河川事務所

5日の打ち合わせ時の課題を改善し、さらに駐車場の線形などにスタディを重ねました。
打ち合わせでは側溝の必要性、泥のたまる位置の確認など河川管理上必要なことが前回の打ち合わせよりもかなり具体的に話し合われました。

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