風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常を、その時々の現役学生の目を通して、お伝えしていきます。
May 9, 2019

大分線路敷跡プロムナード(仮称)

今日は今景観研で携わっているプロジェクトの一つを紹介します。サイトは大分駅から高架化された線路に沿って東向きに10分ほど歩いたところ。大分駅の再開発と線路の高架化に伴い以前の線路敷が大分市役所所有地となったのですが、その一部を活用して駅から大友館跡公園までのプロムナードが整備されることになりました。

事業主体は大分市。景観研は、プロムナード全体の景観設計を担当しています。昨年度で実施設計がほぼ完了し、現在9月に開催されるラグビーワールドカップに間に合うよう、大急ぎで工事が進んでいます。

事業区間は大分市営の金池保育所から大友館跡公園までの延長ほぼ400メートル、幅15~20mの範囲です。プロムナードの背骨に当たるのは復員3mの木製散策路。大分市有林から伐採した杉を大量に使用します。以前ここが線路であったことを伝える古レールも埋め込みます。

散策路の北側には幅5~10mの盛土造成を行い、細長い「里山」を作ります。植えるのはもちろん大分市周辺の里山を構成する照葉樹主体の樹木です。単に四季を感じられる緑地を提供するだけでなく、大友館跡公園の樹林帯を経て大分川の河畔林と繋げることでビオコリドー(生態的回廊のことで、生き物が山村から農村、都市郊外、都心へと移動する通路になる)を形成し、今後大分都心部と外縁部との環境を樹林帯でネットワーク化していく最初の一歩にしたいと考えています。

散策路の南側は終日高架線の日陰になるため敢えて植栽は実施せず、線路のバラスト(レールの下に敷かれる大ぶりの砂利)を以前の線路を物語るデザイン要素として敷きこみます。

工事現場では現在散策路基礎部分や盛土部分が姿を現し、完成形がイメージできるようになってきています。もうすぐレールの据え付けと杉板デッキ材の設置が始まります。

景観研では残りの数ヶ月できるだけ頻繁に現場に伺い、ディテール等について工事担当者の皆さんのサポートを続ける予定で、ブログでも進捗状況を定期的にご報告しようと思います。

 

広幅員街路が横切るプロムナード中央部。左の煉瓦張り擁壁の奥が里山、その右は無人運転車・管理車両用のスロープ、赤いネットで囲われた部分が杉板張の散策路、そして一番右の工事看板に隠れているところが防災広場を兼ねた芝生広場になります。奥にそびえる高架橋は新しくできたJRの線路。

煉瓦は全て本煉瓦。積み方は旧国鉄仕様のイギリス積みです。焼ムラの味がなんとも言えません。腕っこきの職人さん達の手で一つ一つ丁寧に積まれています。石段の踏石には、以前大分市中心部を走っていた路面電車の軌道敷石を再利用しています。今日では手に入らない立派な錆色の国産御影石です。

木製散策路の基礎がほぼ出来上がり、仕上げに貼る杉板材の間に埋め込む古レールを仮置きした状況。線路の曲線が綺麗に出ています。古レールに浮いた錆もいい味出してますね。

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