風景と地域づくりの
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景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
November 29, 2012

WS参加者による歩行調査【三和/行徳】

栄上為石線のWSに参加しており、三和式歩道ができるまでに意見をいただき、一緒に考えてきて、今までの経緯を知っている弱視者の方に完成した三和式歩道を歩いていただきました。普段、三和の行政センターに来られることはあるそうなのですが、完成した歩道を歩くのは初めてです。
11月16日に行ったWSに参加していただいていた全盲の方と車いすの方との調査を合わせて、それぞれの立場で完成した歩道への意見、感想と設計の改善案をまとめ、今後の三和式歩道の調査について意見をいただきます。

歩行ルートは三和行政センターから、さんとぴあ21までの約1.5kmです。途中で気づいた点は、コメントを地図上にプロットして、記録しました。さんとぴあ21についた後は、意見のまとめと設計の改善案と今後の取組みについて意見を伺いました。
最初に伺った意見は、コンクリートとインターロッキングのコントラストが分かりやすいということです。インターロッキングは5年前に行った社会実験で、弱視者の方に色のコントラストをもっとつけたほうがほうがいいという意見をいただき、設計の改良を行った部分です。

横断歩道部に関して今回の事業では、エスコートゾーンの設置や警告ブロックの代わりになるものは実現することができなかった部分ですが、横断歩道への誘導としてピンコロを使用しており、このピンコロの幅では全盲の方が見逃してしまうかもしれないので、もっと幅を広いものにしたほうが良いという意見を伺いました。

三和式誘導路は面的に白と黒のツートーンで色があり、道がどのように続いているのかが、先までよく分かり安心できるという意見をいただきました。
これは、健常者としては感じることのなかった視点であり、実際に視覚障害者の方の意見を伺うことは大変重要であると感じました。

歩行後はさんとぴあ21の中にある会議室で、今日の意見の振り返りと、設計の改善案と今後の調査について伺いました。
たくさんの貴重な意見をいただきましたが、今日の意見をまとめると、三和式歩道は色のコントラスト、足裏のピンコロによって、これを辿り、安心して歩行することができる。視覚障害者誘導ブロックが他の利用者にとってバリアになるのなら、私はこれを勧めたいという意見をいただきました。
歩道に関して設計の改善案としては、コンクリートとインターロッキングの2つの粗度の差をより大きい物にしたほうが良い。
また、今後三和式歩道について知らない視覚障害者の方にもっと歩いていただき、意見をいただいたほうがいいというものでした。
実際に、全盲、弱視、車椅子利用者の立場から意見を聞いた僕としては、3人とも自分たちの主張があり、この主張を話し合い、改善案を一緒に考えどのように実現するのかということが難しいし、今後取り組んでいかなければならない課題だと思います。今回の完成した歩道ができるまでにも、何度か試験舗装を実際に作って、歩行していただき意見をいただいては改良を行なうことで、現在の歩道が完成しております。しかし、まだ利用者みんなにやさしい道路に向けて改善できる点はあるようにも感じます。今後、まずは視覚障害者、車椅子利用者、ステッキ使用者など道路の影響を受けやすい方を中心に様々な方に意見をいただきつつ、三和式道路の改善を行い、この道路の取り組みが三和だけでなく、他の町にも応用されるようになれば、良いのではないかと思います。

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