風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
May 8, 2011

堂崎教会駐車場落成式【五島/高尾】

〔堂崎教会駐車場について〕
五島市福江島堂崎地区にある堂崎教会は、その歴史的経緯からも、市民の心情的にも五島のキリスト教における中心的な存在といえます。そうした堂崎教会は、五島観光の名所のひとつとなり、イベントなども行なわれ、地区は以前から観光地としての性格をもってきていました。
昭和50年代、海岸線を埋め立て、それまで人ひとりが通れるくらいであった教会の海側の道が拡幅され、駐車場も整備されました。子供が遊んだり、カンコロ棚に芋や魚が干され、地区住民の日常的な空間であった海岸線は、観光のための空間としての性格を強くしました。
駐車場の改修事業に関わった設計チームは、今回の駐車場の改修整備が観光客のためのもの、つまり単なる駐車場の整備にとどまらずに、地区住民にとっても日常的な憩いの空間となるような空間整備を目指しました。加えて、将来的に国の重要文化的景観選定、世界遺産登録を目指す地区(堂崎教会が世界遺産の構成資産の候補)であるため、周辺環境、地区の歴史や文化と調和させるために、多くの検討を積み重ねました。さらには、五島の地場の材料を使うことにもこだわりました。この辺の設計の詳細は、設計者であるeauのホームページを参照してください。
この駐車場の整備では、その検討プロセスにおいて地区住民と丁寧に話し合うことも大切にしました。「堂崎ワーキング」という協議の場を設け、模型を囲みながらのデザイン検討、駐車場に貼るタイル焼を製作するワークショップを行ないました。
そしていよいよ駐車場が完工し、落成式を迎えました。式は駐車場で行なわれ、約80~90人の大勢の市民が集まりました。住民の方々も皆とても嬉しそうな様子で、設計チームの皆さんも充実した顔立ちでした。東京からかけつけた設計者のeauチームが、天候のために遅れるアクシデントもありましたが、やはりこういう時間を共有することは、これからまだまだ長く続く五島の地域づくりのなかで、立ち戻れる場所、振り返ることが出来る場所となるのだなと感じました。
五輪の道、堂崎駐車場の二箇所で様々なことを感じ、とても充実した一日となりました。

市長の挨拶

タイル製作ワークショップの作品贈呈。プレゼンターは、地元の陶芸家の中村温美さん。

五島名物餅まき

地区住民代表挨拶

遅れてきた設計者崎谷さんの挨拶

そして最後は集合写真

堂崎教会駐車場落成式【五島/高尾】へのコメント

コメントを追加

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  • お名前
  • メールアドレス
  • コメント*

ENTRY
CATEGORY
ARCHIVE