風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
December 1, 2009

第5回勉強会【樋門/荒巻】

遅くなりましたが,先日行いました,
瀬ノ下地区 第5回樋門に関する勉強会についてアップいたします.
今回は,前回までの勉強会で報告してきた,
・水天宮・瀬ノ下地区の歴史
・イベント時の利用状況
・河川敷の利用状況調査結果
・周辺住民の河川に対する意識調査結果
を踏まえ,
九大が考える河川整備案を模型で提示しました.
来年度の整備対象となるのは,水天宮前に設置される新設樋門及び,周辺護岸と,
車両進入用スロープ(陸閘代替ルート)なので,
今回の勉強会では,樋門とその周辺の護岸整備について特化したスタディを行いました.
前回に引き続き,久留米市の方々にも参加していただき,
筑後川河川事務所・久留米市役所・コンサルタントの計15名の方に対し九大案の説明を行いました.
まずは1/100模型を使い,
調査結果から考えられる,整備においてのポイント,
コンセプト(九大が大事にすべきだと考えること)について整理を行いました.


九大の提案したポイントは3つ
・水天宮の石積み
・河川敷へのアクセスポイント
・水天宮通りからの樋門の見え
水天宮の石積みは一部に江戸時代から残っていると思われる部分があり,
400年前に行われた一大土木事業の名残でもあります.
あの切り立った石積み護岸の勾配が変わる(緩くなる)ことは水天宮の雰囲気を壊すことになるのではないか?
また,決して広くは無い河川敷のスペースを,なるべく広く取るためには,
護岸の勾配を立てるべき,という考えから,
5分勾配の石積み(半練積み)護岸を提案しました.
また,下の写真の陸閘は周辺住民の河川敷への主なアクセスルートになっていますが,
治水安全上の問題から,この陸閘は撤去されることになっています.

そのため,河川敷へのアクセスルートの確保が重要な課題となります.
また,花火大会などのイベント時にはこの陸閘に来場者が集中するため,
多くの来場者を捌く,十分な広さを確保しなければなりません.
そして,水天宮通りからの新設樋門の見えについてですが,
水天宮通りは,イベント時はもちろん,
普段の水天宮参拝者や河川敷利用者の主なアクセスルートとなっています.
新設樋門は水天宮通りの軸上にあるため,
通りからの樋門の見えは最も重要な事項です.
次に,3つのポイントを踏まえた九大案の説明を,
新設樋門周辺をピックアップした1/50模型を使い説明を行いました.

現況・原案・九大案の3パターンをみなさんに見比べていただきましたが,
実際に模型を使うことで,
樋門の上屋の威圧感や,水天宮どおりから見たときの存在感の大きさを実感していただけたようです.
九大案は,
樋門の提内地設置・操作室の地中化という,前例の無い提案でしたが,
水天宮前の整備の重要性や,樋門の上屋の存在感について理解していただき,
前向きな反応を示していただきました.
次回,もう一度提案について4者で議論を深めて行きたいと思います.

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