風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
October 18, 2009

第4回 瀬ノ下地区 樋門に関する勉強会【樋門/荒巻】

遅くなりましたが,先週開催しました第4回瀬ノ下地区・樋門に関する勉強会についてアップします.
今まで九州大学と筑後川河川事務所、東京建設コンサルタントの3者で勉強会を行っていましたが,
今回の瀬ノ下排水樋門の設置には市も関わっているので,
(瀬ノ下排水樋門・池町川排水路の発注主体は久留米市のため)
第4回の勉強会には久留米市役所の関係課にも参加していただきました.

そこでまずは,前回までのおさらいの意味も含めて,
瀬ノ下地区の川港としての発展と,衰退について,
久留米市全体の中での瀬ノ下の位置づけを元に説明を行いました.
江戸時代以降川港として,物資の集散場として久留米を支え栄えたこと
昭和(戦後以降)の久留米の発展に伴い,市内と分断され,賑わいが現在の西鉄久留米駅周辺に移っていったこと
川港が失われ,瀬ノ下地区や水天宮の賑わいが衰退したことect
柳川など,かつて舟運が栄えたまちには,現在も観光名所として舟運が保存されているなかで,
久留米の発展の中心地とも言える瀬ノ下地区の港としての名残はほとんど残っていません.
対象地は現在,JRの九州新幹線・新久留米駅の新設に伴い,
‘歴史のプロムナード’と言う,久留米の歴史的な名所をめぐるための駅周辺の整備計画があります.
瀬ノ下地区の川港としての賑わいを取り戻すためにも,
今後はこの整備計画とうまく絡めながら,瀬ノ下地区の堤防改修を考えていく必要があります.
続いて,先月末に調査を行った
・河川敷利用状況調査
・周辺住民の意識調査
の結果について説明.
河川敷利用状況調査では,
河川敷利用者がどのアクセスポイントから進入してくるのか,
水天宮や京町公園利用者がどの様なルートを通り,どの程度の人が河川敷へ降りてくるのかなどについて説明を行いました.
水天宮は敷地が高く,境内から川(水面や対岸)が見渡せるため,
境内の川が見える所や天端道路から川を眺めるなどの利用が多く,
水天宮利用者の河川敷に対する意識は大きいと思われる一方,
京町公園からは1m強の高さの堤防が障害となり,全く川が見えないためか,
公園の利用者(通過のみの利用を除く)が河川敷へ出てくるという結果もあり,
京町公園のしつらえについての検討は今後重要なものになりそうです.
意識調査では,
川敷から400m低内地側の住民が,どの範囲まで川に対して意識があるのかについて説明.
瀬ノ下と大石町の間で,河川に対する意識に大きな差があり,
間に通っている国道による分断が大きな影響を与えていると考えられます.
今回の勉強会で,資料の準備不足や,プレゼンの問題など多くの課題がみつかりました.
同じ失敗を繰り返さないよう,一同気を引き締めて次回に望みたいと思います.
次回の勉強会は,今回の調査結果を踏まえ,
実際にどの様なデザインが瀬ノ下地区に必要なのか,模型を使ったスタディを行います.
では,また次回に.

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