風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
景観研究室は、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな景観研究室の日常をお伝えしていきます。
June 11, 2006

カヌー乗り場が暫定竣工。(緩傾斜坂路も) 【遠賀川/竹林】

遠賀川右岸側の緩傾斜坂路とカヌー乗り場が暫定ながら竣工し、
落成式と今年度初めてのカヌー教室が行なわれました。
直方市助役、遠賀川河川事務所所長の挨拶では良い施設ができ
たという声が聞けて、そういう気持ちで見てもらえたんだなと思うと
少し安堵できました。
また、カヌー教室の指導員の挨拶の中で、「カヌー乗り場ならぬカ
ヌーステーションができて嬉しい。」という言葉があり、カヌーの乗り
降りという単一の機能だけに留まらない複合的な機能をもった場所
となるように意図した設計だったので、それが使う側に実感されたこ
とがかなり嬉しく思いました。(ステーションという表現は正直微妙~
と思いましたが、まぁ指導員なりのユーモアだったのかなと。)

皆で石張りの広場の上で準備体操を終えた後、いよいよカヌー教室
が始まりました。オールのこぎ方の指導等は、ウッドデッキの上で指
導員を囲んで行なわれましたが、参加者、保護者、指導員と人数も
多かったので、広いと言われていたウッドデッキも少し狭いと感じるぐ
らいでした。

石階段の脇にはテントを設置し、なんとBGMを流していました。スピ
ーカーも何個か設置されていました。さすが、早速いろんな使われ方
がされているなぁと感心しました。コンサートもそのうち行なわれるかも
知れませんね。
カヌーの乗り降りは設計意図を説明するまでもなく、10%の傾斜の
ついたデッキを皆慣れた感じで使いこなしていました。以前に比べて
すごく乗りやすい、使いやすいと評判でした。また、カヌーに乗ってデ
ッキから離れようとするときオールの先が、デッキの板と板の隙間に
はさまるとの文句もありました。(でもひそかにそれはオールの先を
縦にしたり技術の問題でなんとかなるだろうなと心の中で思いました。)

緩傾斜坂路も人の動線として機能していたり、上からカヌー乗り場を
眺める姿が見られました。(↓写真の中の人が見えるでしょうか?)

今日のカヌー教室には、河川事務所の担当者の堤さんはじめ現場所
長、施工担当の竹山さん、東コンの宮崎さんなどのプロジェクト関係者
も見えて、皆それなりに出来に満足しているようで何よりでした。
実際に使用した市民の方々に話を聞いてみると、便利な点、不便利な
点、満足な点、不満足な点などなど色々聞けましたが、総じて使われ方
を見ていると素材の選定や、動線、おさまりはうまくいっている様子でし
た。あとは、やはり日本は公共構造物に対して行政に責任を負わせすぎ
で、公共のものも自分のものでありみんなのものであるという意識が低
いのかなと思わせる意見もありました。その点、色々考えさせられました。
維持管理についてもこれから部会で話し合っていくべきでしょうね。
最後に、設計を主担当した個人的な感想としては、うまくできたところ、
できなかったところがあり、満足できる出来だったかというと正直素直に
うんとは言えない思いです。けれど昨年の10月から約8ヶ月ずっと、プ
ロジェクトを行なってきて、現段階の自分としては納得いったというか、
満足できないけれど不満はないという、そんな感じです。あれこれ考え
たものが実際に出来上がる過程をずっと見ていけたことがとても貴重な
経験になったと思います。そして、このプロジェクトをやらせてもらったこ
とについて大変感謝しています。今も色々なプロジェクトが動いています
が、どれも良い結果を目指して頑張って欲しい、また頑張っていきましょ
う、と思います。

カヌーに乗った人はぜひ感想をコメントに投稿してくださいね。

カヌー乗り場が暫定竣工。(緩傾斜坂路も) 【遠賀川/竹林】へのコメント
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    カヌーは,シーカヤックやボートなんかとは違って随分アナログな乗り物でした.乗ってみると意外に足元が安定しなかったりして,体とカヌーとを固定するのが難しくて・・・フラフラでした(恥
    がしかし,簡単に自分の思うようにはいかないところがいいですよね.それでも,指導員さん達のおかげで皆,大分上達したと思います.
    自分も左岸に上陸したんですけど,これは今までの切り立ったコンクリート護岸ではできなかったこと.右岸のカヌー乗り場から遠賀川へ繰り出し,しばし水上散歩・・・疲れたところで左岸に乗りつけて,芝の上でお弁当なんていいな,と思ったりしました.遠賀川を介して両岸が繋がった瞬間だったと思います.
    そして右岸の緩傾斜坂路・ステージ・デッキ,左岸の緩勾配の河川敷・・・ほとんどの方に楽しんで利用して頂けていたようですが,その裏にはプロジェクトに関わった人たちの,きめ細かい気配りが設計意図にあったことをこの2ヶ月あまりですが見てきました.それが実感できる素晴らしい空間ができたと思います.今回の工期までプロジェクトを担当された方々,お疲れ様でした.

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     カヌーは初体験でしたが、とても楽しかったです。私が小さいときにこんな遊び場所が近くにあったら、毎日来ていただろうなと思いました。次の日全身が筋肉痛で、年齢の衰えを感じました。。。田浦さんのコメントにあったように、カヌーで右岸に着岸できるのは、とても意味のあり、両岸の設計につながりがみられた1つの体系だと思います。
     私は途中からこのプロジェクトに参加できなかったので、とても悔しかったし、残念で仕方ありませんでした。だからこそ、この場所がどんな風に使われていくのか。そのことがとても心配でなりません。今日、カヌーを実際に経験して、その不安が少し解消されました。これは、きっと直方のチューリップ祭りに次ぐ、目玉になるに違いありません。もっとたくさんの人に遠賀川を知ってもらって、遠賀川で楽しんでほしい!これが私の願いです。
    ・・・次に続く・・・

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    カヌーは初めての体験でしたが、水がとても近くに感じられてとても楽しかったです!しかもあれは上半身だけに見せかけて、全身運動です!!カヌー乗り場は意図したように、デッキや中段のスペースで漕ぎ方を教えたり体操したりに使われて、とても使いやすいと思います。最上段はステージのように利用されていて、下から見上げるような使われ方が自然にできていました。デッキについては安全で乗り降りはとてもしやすかったです。個人的に左岸について、今まで切り立っていた護岸を壊して、今回カヌーで上陸できたのは遠賀川にとって、とても大きな一歩だったと思います!

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